ガンが見つかり二年経ち大きな外科手術をしてからずっと定期的に抗がん剤治療をしていました。

抗がん剤治療の方は大きな副作用が殆ど出なかったし、体力もそんなに落ちなかったんです。

奇跡なのか、
体力があったのか、
それともガンが見付かってから始めた漢方のタヒボが良かったのか。

よく聞く「吐き気」や「だるさ」はあったにはあったけど、噂ほど酷くなく治療してました。

が、目には見えないんですね…
ヤッパリ免疫力が落ちてしまってて、肺にカビが発生しました。

このカビというのが、空気中に普通にあって健康な人なら問題無いカビなんですが、父は免疫力が下がってたので体内で増殖してしまったようです。

こうなると抗がん剤治療をすればする程
カビが酷くなるという悪循環。

一旦抗がん剤治療を止めカビを除去する治療がスタートしました。

この薬が強かったのか合わなかったのか副作用が酷く結構吐いたりフラフラして
薬を減らすなど、色々試してました。

そんな時海外ではガン治療にポピュラーな新薬オブジーボが有りますが、タイミング良く日本でも認可がおりて保険適応になったのと、父のガンにも適応との事で有難いことに新薬を試せることになりました。

抗がん剤治療と違いオブジーボは悪い所にだけ攻撃しに行くので免疫力も下げないのでカビ治療と一緒に出来るとの事で大喜びでした。

去年の12月頃だったかな?スタートしたの。

少し悪い所が改善され効果が現れてたようで一時期は一安心してました。

が、残念な事に3ヶ月後くらいだったかなぁ。
ガンの脳への転移が見付かりました。

頭に転移したものは、父の場合幸い障害も出ない所にあったので放射線治療を1回受けることになりました。

しかし転移したということは、新薬が効いてない…だから、そのまま使う事が出来ない。そう言われました。

絶望的な言葉でした・・・
治療ストップって事だ・・・と。

とりあえずカビの治療は続けながらカビが落ち着き体力あったら抗がん剤治療も再開できるとの事でそこに望みをかけてたんです。

1ヶ月が過ぎた頃だと思います。
父が1人で歩くこともままならない状態になりました。

声もかすれて、聞き取りにくくなり急に呼吸困難になる事もありました。

しばらくして呼吸困難で救急車で運ばれました。

その時1日1kg体重減り食事も殆ど食べれなくなっててこの症状はガンからとしか考えれないと言われました。

今までも痛みをとる薬はずっと出てたので改めて言うこともないんですがわかり易く言うと本格的な緩和ケアをスタートですとお医者さんから告げられました。

父はずっと治療をしてる中で精神的に滅入っててこれ以上のショックには耐えれそうになかったので本人には言わずにいました。

本人には体力戻してカビの薬しながら抗がん剤治療出来るタイミングを目指してるんやで!と説明しました。

たぶん、色々分かってたと思います。
父はネットが私以上に得意な人だったので、当然最初から色々調べてたと思います。

でも、言えなかった。

先生に「このままでは、夏を持ち堪えれるか持ち堪えても1年は難しいでしょう。
どこか行きたい所があるなら今行ってください」そう言われました。

でも、弱ってるのは分かってるけどまだまだ元気だと思ってました。

現実が見れてなかったのは私かもしれません。

父に旅行に行こうかと誘ったら喜んでて、父母と旦那さんのご両親と妹家族と
淡路島へ旅行に行きました。



皆仲良しなんで父が大きなガンの手術後にもお祝いを兼ねて行ったんです。
その時と同じホテルにしました。

本当は父にとっては、かなり無茶な旅行だったかもしれません。

女子と子供達で皆海水浴してる間に父は私の息子に少し肩を借り歩いて露天風呂まで行って久々にお風呂に入ってたんです。

日頃車椅子生活なのにです!
めちゃくちゃ驚きました。

でも気持ち良かったと喜んでたのと、自分でまだまだ出来ると!自信に繋がったようでそれはそれで良かったです。

お医者さんにはこれからは何度か救急車で運ばれる事が増えると言われてました。

言ってた通り運ばれてしまったのが先週の土曜日です。


後に続く