じぃちゃんは筋肉ムキムキで
猟や罠で鹿や猪をとって
さばいて、鹿肉のたたきや猪鍋を作ってくれた
じぃちゃんは昼寝をする時
両肘を曲げて両手を頭に敷いて寝ていた
じぃちゃんが法事に行く時
持って行くものをあれはどこやったかな
と出かける直前に探していると
ばぁちゃんがもうすでに
玄関に準備していた
すげーやっちゃの〜っち
ばぁちゃんに伝えてくれと
中学生のわたしは伝言を頼まれた
自分でありがとうと言えばいいのに
と思ったけど
すげーやっちゃの〜に全部含まれてるなと
感じた
じぃちゃんには友だちがいて
いつもたくさん菓子パンを持ってきてくれた
じぃちゃんは何かしていても
途中で人が来たら
手を止めて外でゆっくり話をしていた
わたしはよくじぃちゃんと昼寝をしていた
じぃちゃんは動揺にわたしの名前を入れて
歌ってくれた
わたしは、ほんとうの歌詞を知らない
帰省すると家の裏にある蜂用箱を見せてくれた
ぼそっと一言、蜂も頑張ってる、恵美も頑張れと言ってくれた
じぃちゃんが脳出血で倒れたと聞いた
ICUで寝ている意識のないじぃちゃんに
じぃちゃんから教えてもらった
帰ってこいよの歌を歌った
じぃちゃんは回復したけど
体に麻痺が残って、発語も難しくなっていた
じぃちゃんが家に帰って来たのは
数年後、じぃちゃんが死んだ時だった
葬式の前夜
じぃちゃんと2人で同じ部屋に寝た
朝起きてからじぃちゃんが死んだ実感がわいた
じぃちゃんが死んで4年後に産まれた息子は
たまにじぃちゃんと同じように
両肘を曲げて、手を頭の下に敷いて寝ている