子どもが無料通信アプリ「LINE」で友達から受け取ったメッセージを、親に代わって監視するサービスが登場した。
いじめや性犯罪など、LINEを使ったトラブルに子どもが巻き込まれているのを、早期に発見するのがねらいだ。
ITベンチャー「エースチャイルド」(東京都品川区)が、6月30日から、交流サイト監視サービス「Filii(フィリー)」に、LINEを監視する新機能を加えた。
「隠す」(持ち物を隠す)や「応援」(援助交際など)といった、いじめや犯罪に関係しそうな延べ約2万語を選定。
子どもがLINEで受け取るメッセージの中で連続して使われると、「いじめや犯罪の可能性がある」と、親が閲覧する専用ページに警告を表示する。
警告は緊急度の高さに応じて3段階あり、親は、誰との会話でいつどんな単語が使われたかを確認できる。
メッセージ本文を見ることはできない。
同社によると、LINEを監視するサービスは初めてという。
同社は昨秋から、フェイスブックなど他の交流サイトを対象にした監視サービスを提供している。
LINEは第三者にアプリ内の情報へのアクセスを許可する仕組みがないため、同様の監視は難しいと見られてきたが、スマートフォンの基本ソフト(OS)がLINE上でやりとりされたメッセージを一時保存している点に着目。
専用アプリを通じて、このデータを取得する仕組みを考案した。
解析はシステムが自動的に行い、メッセージ本文は同社スタッフにも見えない。
子どもから友達に送ったメッセージは取得していない。
サービスの利用には、子どもの許可を得てスマートフォンに専用アプリを入れる必要がある。
子どものプライバシーに配慮し、子どものアドレスには監視を知らせるメールが届くため、親が内緒で監視することはできない。
子どもも専用ページで、親と同じ警告情報を見ることができるという。
小学生から高校生の親の利用を見込むが、当面は試行版のため無料。
基本ソフト(OS)はアンドロイドのみ対応し、iPhoneでは使えない。
総務省などの調査では、10代の約7割がLINEを使用。
悪口を送るいじめや、性犯罪目的の相手との出会いなど、危険もある。
西谷雅史社長(34)は 「子どもが自分では親に問題を伝えられない時でも、危険情報を共有できるようにしたい」と話している。【朝日新聞社】