退院の日…


午前中に診察を受けてから
バタバタと帰宅の準備をしてると
可愛いピンク色の
ベビードレスに包まれた我が子を
助産師さんが連れてきてくれた



花「キャ〜♡   可愛いッッ♡」


思わず声をあげるほど
その姿が可愛くて
愛らしくて
テンションが上がる


スマホを取り出して
写真を撮ると
すぐに臣に送った






可愛い…



春もそうだったけど

本当に、愛しくて愛しくて…

見てるだけで癒される…



臣もこんな風に
思ってくれるのかな…


臣は、春にしてあげれなかった事を
雛に沢山してあげたいって
少し漏らした事があった


オムツを替えたり
ミルクをあげたり…

そんな普通の育児を
臣は凄く楽しみにしてる





ー ピコンッ


臣 “ ヤバイ!! マジ、姫♡ 
  可愛い♡♡♡ ”

花 “ でしょ?♡    もお、着く??”

臣 “ あと、10分くらい!!”




臣からのLINEに返信すると
自分も着替えて
帰りの準備を終わらせた


家、ちゃんと片付いてるかな…



そんな事を思いながら
そっと雛を抱いて、臣の迎えを待った








看「ご主人、お迎えに来ましたよ〜

 雛ちゃん
 パパ来たよ〜
 お家、帰れるね〜っ」

花「雛、パパ来たって〜♡」



臣「お待たせ〜 笑
 
 おぉ〜♡   可愛いなぁ〜♡
 よく似合ってまちゅね〜♡」

花「でしょーっ?♡
 可愛いよねっ♡」

臣「ああ 笑
 もお、世界一可愛いっっ♡

 雛ちゃぁ〜ん
 お家帰ろうなぁ〜♡」

花「フフ ♡

 デレデレだね 笑」

臣「んー? いーのっ! 笑
 こんな可愛い子、目の前にして
 デレデレしない方がおかしい! 笑」

花「そうだね 笑」




雛をしっかりと抱いて
先生や、看護師さん
助産師さんに
挨拶を済ませると、病院を後にした



帰りの車の中でも
臣は、雛に釘付けで
写真を撮ったり
ほっぺをそっとツンツンしたり
自分の指を握らせてみたり…


その表情が
見たことないくらいに
優しくて…


凄く心が温かくなった…


だけど少しだけ
複雑な気持ちも湧いてくる…










ねえ、臣…


春にもきっと
臣はこんな風に
優しく笑いかけてくれたんだろうね



春にしてあげれなかった事…

どんな事をしたって
作る事のできない
赤ちゃんの春との思い出…



時間は巻き戻せないけど…

だけど…


これから、沢山
いっぱい思い出作ろうね


春と、雛と…












臣「なぁーに、深刻になってんだよっ 笑」

花「…え?!//」

臣「平気だよ、俺は… 笑
 春にしてやれなかった分とかじゃなくてさ…

 春の時、おまえ一人に任せてた分!
 一人で子育てさせた分!
 こっちが正解な? 笑 」

花「へ? 笑」

臣「だーかーらっ 笑
 分かりやすいの!おまえは! 笑
 春がどうとかじゃないの!
 重要なのは、花に全部背負わせた分…

 雛は、一緒に子育てしような…
 俺、何でもやるからさ…

 だから、悔やんだりとか
 自分責めたりとかすんなよ?」

花「…   臣…」

臣「幸せだよ〜? 俺は 笑
 春が居て、雛が産まれて
 隣に花が居てくれて!

 あとさ、俺は基本的に
 おまえ重視なの!
 俺の世界って、花が基準なわけよ 笑

 もお、それだけで充分幸せだろ? 笑

 それでいいじゃん? 笑」

花「…うん

 あたしも、幸せだよ…
 充分幸せ…」

臣「だろ? 笑
 
 だから、深く考えんな! 笑」

花「もお…   簡単にしすぎ! 笑」

臣「そおか? 笑
 そんなもんだろっ 笑」

花「もおっ!!

 でも…      ありがと…」

臣「どういたしまして〜 笑」





そう言いながら
あたしの頭を優しくポンとしながら
笑う臣…





ありがと…





本当に幸せ者だ…