可愛くて 可愛くて

本当に愛おしくて…


この瞬間を
俺は一生忘れない…




ありがとう…


こんなに可愛い子を

俺の子を
二人も産んでくれて…




これからますます
忙しくなるな…


花と、春と
この子を守るために

俺、もっともっと
頑張るよ…



だから、いつでも
みんなで
笑って過ごそうな…








ー 翌日 ー






次の日、春を連れて
病院に来た

感染予防の為に
赤ちゃんと接触出来ない春は
新生児室の前で
微動打にせず
ガラスに張り付いてずっと中を覗いてる



臣「春! ママのとこ行かないの?
 10分しか会えないんだから
 早くおいで!! 」

春「ハル、赤ちゃん見たい〜っ
 ハルの妹!! 何で会えないのっ?!
 パパだけズルイっ!!」

臣「あと、4回寝たら
 帰ってくるからっ!
 だから、春はパパとお家キレイにして
 待ってような?」

春「もお、キレイだもんっ!
 ハルお掃除したし!
 パパがこぼした牛乳もハルが
 ばぁばとピカピカにしたんだからねっ!」

臣「ごめんって…
 ありがとな、春!!
 でも、病院の決まりで会えないんだよ…
 赤ちゃん産まれたばっかりだから
 ちょっとのバイ菌もダメなんだって…」

春「ハル、バイ菌ないもんっ!!
 パパ嫌いっ!! ママぁ〜っ!!」

臣「あ〜…  もお何でこうなるんだよぉ〜」
 



ーーガラッ



花「春??」

春「マーァマーッッ!!
 パパが、ハルの事バイ菌って言ったぁ!」

花「えぇ?! 」



春が泣きながら病室に
入って行くのを追っかけた



臣「春! 病院なんだから
 静かにしなきゃダメだろ?
 ママだって、まだ身体が大変なんだから
 困らせるなよ…  

 花? 大丈夫か?」

花「うん、大丈夫だよ?
 まだ少しフラフラするけど
 全然元気…  笑

 それより、春どうしたの? 笑」

臣「あー…   赤ちゃんに会いたいーって
 グズったから今はまだ会えないって
 事情も説明してさ…

 少しのバイ菌もダメなんだぞーって
 言ったらこうなった… 」

花「そっか…  笑

 春〜? 赤ちゃん、会いたいよね…
 春も楽しみにしてたもんね?

 ママがお家に帰る時、
 赤ちゃんも一緒に帰れるから
 それまで待てないかな?

 まだ、産まれたばっかりで
 身体も強くないんだ… 」

春「… うん。
 分かった…

 ママぁ…   早く帰って来てね?」

花「うん…    
 
 春‥.    ごめんね? 寂しいよね…

 ママも寂しい…
 だから、早く帰るからねっ!
 そしたらいっぱいギューしようね♡」

春「…うんっ
 春、いい子にするから…
 ママぁ…   いい子いい子して…」

花「ん…   いいよ おいで?」

 
 


 

 
今朝、母ちゃんから春を引き取る時に
釘を刺された


下の子が産まれて、これから
大変になるけど
春の心のケアをきちんとしてやれって…

春だって、ママが居なくて不安になるし
下の子の世話に
かかりきりになるママを見て
何も感じないわけない

情緒不安定になったり
急にワガママになったり
そんな事もあるかもしれないって


確かにそうだと思った


今まで春は
産まれてからずっと花の
愛情を一人占めできたわけで…

少なからず俺も
春にありったけの愛情を注いできた


春は兄弟が出来る事を
凄く喜んでるけど
きっと子供なりに不安や葛藤も
あるはずだよな…



春の表情を見ると
悲しそうにシュンとして
花の手をギュッと握ってる

花もそんな春を見て
少し寂しげに頭を撫でてた



花「そうだ…   春!
 赤ちゃんのお名前!!
 
 パパと、春で決めてくれる??」

春「うん!! お名前!!」

花「赤ちゃんね、まだお名前ないの…

 春のお名前は、ママが考えたのね。
 だから、赤ちゃんのお名前は
 春とパパに考えてほしいなぁ〜って」

春「 やったぁ〜〜っ♡ パパー!!」

臣「花…      その事なんだけど…
 実は…    春と既に考えてて… 笑」

花「え? そうなの? 笑」

春「うんっ!! パパと考えたぁ〜っ♡
 ねーっ パパッ」

花「フフ   笑
 そっかぁ〜  もう決まったの??」

春「言っていいの??」

花「何ー? 教えて?」

臣「春、ママが聞きたいって 笑」

春「うんとね〜  あのね〜…

 ひなちゃん!!! 」

花「…ひなちゃん??」




臣「登坂 雛 

 ひろおみ
 はな
 はるおみ ってきたら
 ひな  かなーぁ? って… 」

花「雛…   ひな…

 登坂 雛…      

 うん…  いいかもっっ♡」

臣「子供達、ふたりとも両親の名前
 少しでも入ってんのとか
 いいなぁ… って 笑
 単純だけどさ 笑 」

花「… 凄いいいと思うっ♡
 雛…     可愛いっ♡ 

 あっ! 臣っ!」

臣「なに?」

花「ンフフ♡   

 みんな、イニシャル一緒だねっ♡」



そこ? って思ったけど

そう言って
めちゃくちゃ嬉しそうに
ニッコリ笑う花の笑顔は

俺が今まで見た中でも
トップ3に入るくらい
すっごく綺麗だった…





『登坂 雛』



新しい俺の家族




ママみたいに
笑顔が可愛くて
誰からも愛されるような

元気で、明るくて
たまにワガママで…


そんな女の子になってくれたら

パパはきっと

気が気じゃないだろうけど…



だけどそれ以上に

自慢のパパで居られるように

一生懸命頑張るよ…



ようこそ、我が家へ

可愛いプリンセス…