今日か…



由香と先輩が会ってるのは…


由香…









さっと着替えて
スマホと鍵だけ持つと
玄関の扉を開けた




どこに由香がいるかなんて分からない…


ただ、思うがままに
向かったのは
由香のマンション…


部屋の番号は分かってる


オートロックのインターホンを
押す指が震える…


緊張しながらも
胸の高鳴りは止まらなくて…

だけど
応答はなかった…


「まだ、帰ってないのか…」



暫くマンションの外の
人目につかない場所で
由香の帰りを待った…



どうしても会いたい…


何時間たっただろう…


5月っていっても
夜はまだ肌寒くて…

上着を着てこなかった自分を責めたくなる



どこ行ってんだよ…  由香




だいぶ待ったけど
結局深夜になっても
由香は帰らなかった…


スマホの充電も切れそうで
仕方なく
来た道を引き返す…


さすがにこの時間は
都内でも、人は殆ど歩いてなくて…


だからこそ

直ぐに分かった…





「…  由香」




『… 隆ちゃん』



目の前に、会いたかった
由香が居る…

ずっと

ずっと会いたかった…





隆「何やってんだよ…
 こんな時間まで…  」

由「隆ちゃんこそ… 」

隆「…   俺は…


 ったく 家に居るだろ、普通…  笑 」

由「…  会いたくて

 隆ちゃんちに行ってた…
 ずっと待ってたけど
 帰ってこなかったから…  」

隆「…  うちに?

 俺は、由香のマンションで
 ずっと待ってた…

 おまえが帰ってくるの… 」

由「フフ … 笑
 同じ事してたんだね… 」

隆「そうだな…   笑」



少し恥ずかしそうに

だけど

嬉しそうに笑う由香を見たら

思わず泣きそうになった…


『迎えに来たよ…』


『…  』


『帰ろう… 一緒に…』


『…うん』







そう言って、涙を流す
由香の手をとった

何年ぶりか分からない…


こうして由香と手を繋いで
外を歩くなんて…






会話なんてしなくても

お互いの思いが分かる


この手の温もりだけで…






自宅に着くと

扉を開けるのと同時に

由香を抱きしめた…




青春時代から
大人になるまで

ずっと一緒だった…


お互いを思い過ぎて
離れて…

すれ違って…




もう…

どんな事があっても

絶対に離さない…

 愛しくて
世界で一番大切な人…


ずっと、待たせてごめん…


こんな自分勝手な俺を

待っててくれて、ありがとう…



この先…

絶対に俺がおまえを守るよ

必ず、幸せにするよ…






















これからの人生…

俺は、まだまだ沢山の夢を叶える為に
きっと何度か旅に出る…

だけど…

必ず、由香のもとへ帰るよ…


俺の帰る場所はひとつだから…







【旅立つまえに】


泣きだしそうな君を見てると
さきに涙こぼすから 僕は

明日の朝は 見送らないで
君なら 本当の気持ち わかるだろう

「必ずここへ帰る」と
何度言っても 不安なんだね

Promise you はじめてのキスも 
今日のため息も
忘れない すべてが宝物さ
痛みがあるから 喜びがあると
いま僕が思えるのは 
となりに君がいたから

「このまま朝が来なければいい」
そう言って 黙りこんだ君を

抱きしめもせず 見守るだけで
時間はいつもより早く流れてく

向こうに着けば 
電話をすぐにかけよう 約束するよ

Promise you ケンカした夜も 
君の泣き顔も
大切な ふたりの夢のhistory
僕のつよがりを 
受けとめてくれた
いまならば信じられる 
心はつながっている

愛はときに 雲に隠れ ふたりを試しているけど
愛はいつか 闇を裂いて 光でふたりを照らす

Promise you ふるえてる君の
小さな背中は
まだ僕を 許してくれないけど
夢を見ることの 
先にあるものを
確かめてみたいだけさ 
自分をもっと知りたい

Promise you, promise me
はじめてのキスも
 今日のため息も
忘れない すべてが宝物さ

痛みがあるから 
喜びがあると
いま僕が思えるのは 
いつでも君がいたから


I promise you 迎えにくるから








『ただいま…  由香』



『おかえりなさい… 隆ちゃん』







END












ありがとうございましたお願い