隆ちゃんに貰った
指輪…
肌身離さず、毎日付けて
辛い時は
ギュッと握りしめて
彼を思った
そうすると、まるで魔法かのように
何でも頑張れたから…
そんな毎日を過ごしながら
季節も移り変わり
暑い夏が過ぎていく…
残暑が残りつつも
秋らしさも出てきたこの時期
園で、いつも通り
ママの職場の人が迎えに来たハルくん
帰り支度をしながら
トコトコっと私の所に来て
可愛い絵柄の小さな封筒を手渡された
由「先生にくれるの?
お手紙?? 」
春「うん!!
でも、ハルじゃないよ!
ママが書いたの!!」
由「ママが?」
春「そうだよ!
帰りにこっそり渡すんだよって
だから、ないしょねっ🤫」
由「分かった…
ないしょね? 」
春「せんせー! さようならーっ」
由「あっ、うん!
さようならっ
また、明日ね〜っ」
春「うん! またあしたねっ」
ハルくんのお迎えに来た人が
ペコっと頭を下げて
私も頭を下げると
手を引かれて帰るハルくんを
見送った
そういえば…
いつも迎えに来る、あの人って
誰なんだろ…
あっ それより!
手紙…?
何だろう…
いろんな事が気になる中
仕事が終わると
急いで家に帰った
バタバタと家の事を終えたら
ソファーに座って
ゆっくりと封を開ける…
見た瞬間に
涙があふれた…
手紙に目を通す前に
先に手に取ったそれは…
三代目 J SOUL BROTHERS
LIVE TOUR 2019
"RAISE THE FLAG"
9.22 東京ドーム
チケットだ…
手紙を開いてみると
綺麗な字でハルくんのママからの
メッセージがあった
▪️
息子がいつもお世話になり
ありがとうございます。
このような形しか
思いつかず
子供づてになってしまい
申し訳ありません。
隆二君のステージに立つ姿
是非見に来て下さい。
待ってます。
登坂 花
▪️
隆ちゃんの、歌う姿…
ステージに立つ姿…
デビューイベントの時
あの時一度きりしか
私は隆ちゃんがステージに立つ姿を
見た事がない
東京ドームか…
アーティストなら誰もが夢見るとゆう
夢の舞台
そこに、立って
沢山の人を魅了する彼の姿を
想像するだけで
胸が高まった
私…
行ってもいいのかな…
チケットを上にかざして
眺めながら
そんな事を思った…
.
.
.
.
.
「…こんな感じでいい…かな?
変じゃ… ないかな?
まっ、いっか!」
鏡に向かって
そう呟いた…
久々に、しっかりメイクをして
髪も巻いた
買ったばかりの薄手の上着を羽織って
お気に入りのスニーカーに
足を入れれば
気分が上がる…
外に出て、空を見上げれば
自然と隆ちゃんの顔が浮かんだ
ねえ、隆ちゃん…
私、今日おしゃれしたんだよ…
少しでも
綺麗に見えるように…
煌びやかなステージで
輝いてる隆ちゃんに
少しでも釣り合うように…
だから…
何万人もの人の中で
私の事…
見つけてくれる…?