哲ちゃんが捕まった…


彼女を監禁して
殴って…


信じられなかった

哲ちゃんがそんな事をしたなんて…




わたしは、哲ちゃんが大好きで
ずっと傍に居たくて…

2番でもいいの…

彼女と結婚しても
それでも一緒に居たい…

ダメなことだって分かってるし
彼女にも申し訳ない気持ちは
常にあった


だけど、抑えが効かないほど
わたしは彼にどっぷりハマってた



哲ちゃんとの出会いは
わたしが働いてたキャバクラだった

会社の上司に連れられて
お店にやってきた彼は
背が高くて
少し危ない雰囲気があって…

わたし好みのルックスだった


話してみたら
想像どおり、ちょっと冷たくて
そっけなくて…

だけど、『バカだな 笑』って
笑いながらわたしの話を
聞いてくれたり
たまに、頭をポンとされたり…

冷たいけど、時折見せる優しい表情に
惹かれていくのが分かった

今思えば、一目惚れだったのかな…



関係が始まったのは
出会った日から少し経った頃…

お客さんとのアフターで
行ったBARで酔い潰れて…

危うく持ち帰られそうに
なった所を
哲ちゃんに助けられた…

ベロンベロンに酔ったわたしを
家まで送ってくれて
帰ろうとした哲ちゃんを
わたしから誘った

確信犯だった…


服を脱いで、わたしから抱きつけば
彼はスイッチが入ったように
わたしを犯した

何度も、何度も
絶頂を迎えて…

よく身体の相性がいいって
言葉を耳にするけど
本当にあるんだって
思った…

彼に溺れてしまうのに
時間はかからなかった…




哲ちゃんは、束縛や
詮索を凄く嫌うし

自分の思い通りにいかないと
すぐ不機嫌になる

本当に子供みたいで
気難しい所もあるけど

甘えん坊なわたしには
彼の強引な所も
Sっ気たっぷりな所も
全部魅力的だった…


言葉は乱暴だけど
本気で怒ったりなんてしない

わたしがワガママを言っても
文句言いながらも
いつも叶えてくれた



彼女がいるのは知ってたし
わたしの物にならないのも
うすうすは感じてた

だけど、結婚するって聞いた時は
流石にショックだったな…



本当は、わたしだけを見て欲しかったし
わたしを一番に考えて欲しかった


でも、重い女にはなりたくなかった…



だって哲ちゃんは
わたしが、軽い女だと思って
傍に置いてるんだもん…



わたしが、本気で好きだなんて
知ったら
きっと、わたしを捨てるよね…


それだけは嫌で…

どんな形でも、彼の傍に居たかったから
わたしは軽い女を演じた


恋人ごっこでもいい

本当の彼女じゃなくてもいい


好きだから
大好きだから

自分の気持ちを押し殺して
常に明るい
無邪気な女の子を演じてたんだよ…



 『おめでとうございます…
8週目ですね…  』





哲ちゃん



わたし、ママになるんだよ