弁「では…     双方この条件で
 和解という事で…  」

隆「はい…    よろしくお願いします。」







数時間前、先輩と俺との間で
和解が成立した




俺からの手紙を読んで
気持ちを固めてくれたのか
由香は、先輩への告訴を
取り下げなかった

これで先輩は、刑事罰を受ける


ただ、由香が和解に
応じなかった事に対して
俺への被害届を
取り下げる事を拒んだ…


でも、これでいいんだ

由香が正しい選択をしてくれて
本当に良かった…






直「どっ どうなった?!」

隆「和解… 成立しました。
 
 これで、もう何の心配もなく
 LIVEに専念できます!!

 ご迷惑おかけして
 すいませんでした!!」

直「そっか…
 そっか、そっか…    
 良かったよ…    マジで…」

隆「以後、気をつけます!!」

直「じゃあ、一件落着ってことで
 今日は美味いもん食い行くかっ!!笑」

岩「いいっすね〜♪
 お寿司っ お寿司っ 」

直「行っちゃう?! 笑
 いーよー  直人さん出すよー 笑」

隆「ご馳走さまでーすっっ 笑」



事務所の応接室で話し合いが終わり
そのままメンバーが集まる
別の部屋で
直人さんと岩ちゃんと
盛り上がった





臣「隆二…

 ちょっと、いい?」

隆「え?
 あー…     今行く… 」



臣に、呼ばれて廊下に出ると
臣は険しい表情で
俺に問いかけた



臣「…聞いたよ

 どうゆう事?
 何で、あんな提案したんだよ…
 彼女の気持ち考えたのかよ…」

隆「…一番いい選択だと思った…

 案の定、あっちはそれで
 和解してくれたし…

 由香は…
 
 由香は大丈夫…
 
 結局俺は、夢を捨てれないって
 分かってるから…  」

臣「おまえ、それ本気で言ってんの?
 バカかよ…
 
 絶対後悔するぞ… 」

隆「いいんだよ…

 後悔して、いいんだ… 」




先輩との話し合いで
向こうは俺への告訴を取り下げないの
一点張りだった

由香が、告訴した以上
取り下げる気はないと…


事務所の幹部も弁護士も
必至に策を練ったけど
向こうは頑なに拒んだ


俺が、告訴されれば
事務所にもグループにも
莫大な損害が出る

俺のせいで、何の関係もない人達の
人生を変えてしまう…


それだけは、出来ない…



俺が今、歌を好きなだけ歌えるのも
沢山の人に聴いてもらえるのも
全て、自分の周りの人達の
おかげなんだ…


そんな人達に
迷惑はかけれないよ…



それに
由香も、そう思うと思った…


だから、俺が下したこの決断も
由香なら分かってくれると
思った…




昔もそうだったから…


同じ事を感じて、思って
お互いの為に
離れたあの時…



もう、同じ思いはしたくないって
心から思ったけど

結局俺は、
また同じ道を選んだ




先輩に俺から出した和解案…



由香とは今後一切
会わない

関わりを持たない



向こうは、それを聞いて
ひとつ返事で承諾した


俺と由香を引き裂けば
あんたは気が済むだろ…







由香…


勝手な事してごめんな…





だけど、信じて



俺はこの先もずっと…

おまえだけを思って
おまえの幸せを願って
歌い続けるよ…