色んな物が壊されて
床に沢山の破片が散らばる中
部屋に響き渡る
無機質な音…
もう、どれくらい経っただろうか…
上に跨がって
何度も彼は私を殴る…
顔も
体も…
もう痛みなんて通り越して
感覚すらなくて…
ここについてすぐ
寝室に閉じ込められたかと思えば
哲哉くんは
物凄い形相で部屋に入ってきた
私のスマホを握りしめて…
哲「ロック、解除しろ!」
由「… はい」
大きな声出さないで…
震える手でスマホを開いた
隆ちゃんとのLINEを見られたら
彼はきっと
私を殴るだろう…
覚悟を決めて
スマホを渡した…
哲「何? おまえら
ヨリでも戻した?? 笑」
由「… 」
哲「ふーん…
隆二って、おまえにベタ惚れなんだな 笑
おまえ、隆二に電話しろよ
俺が大切だから
俺のとこに帰るって言え!
もう会わないって!
そうすれば、隆二には
何もしねーから 笑」
由「… 本当?」
哲「早く、今電話しろっ!」
スマホを投げつけられて
溢れ出す涙を堪えながら
呼吸を整えて
隆ちゃんに電話をかけた
出ないで…
お願い…
心の中で、そう唱えたけど
そんな思いも届くはずなくて…
電話口からは
大好きな彼の
優しい声が聞こえた
堪えてた涙が頬を流れる中
それを悟られないように
必死に抑えて…
一方的に話して
隆ちゃんの反応を聞く間もなく
電話を切って
電源を落とした…
ごめんなさい
ごめんね、隆ちゃん…
哲「なあ… 隆二に抱かれた?
あいつは、優しかったか?
おまえのここも、
ここにも…
あいつは、触れたのか?」
由「… やめて
やめてよ… 触らないで…」
哲「おまえ、まさか…
本当に隆二と…?
ふざけんなよ!!!!
おまえは、誰の女だ?! あっ?!
簡単に触らせてんじゃねーよ!!
このアバズレが!!! 」
由「嫌っ!!!
お願い!!! やだ!! やめてっ!!」
隆ちゃん以外に
触られたくない…
とっさに、哲哉くんを
拒絶した
だけど、それは案の定
彼の逆鱗に触れる…
ベッドに投げるように倒されて
そのまま無理やり
服を剥ぎ取られる
やだ…
やだ やだ
死ぬ気で抵抗すれば
思いっきり殴られて
口の中に血の味が広がる…
絶対に
守りたかった
哲哉くんを受け入れるのだけは
絶対に嫌で…
隆ちゃん以外の誰かと
身体を重ねるなんて
私にはもう出来ない…
何度も何度も殴られて
意識が朦朧とする…
それでも、私は
抵抗する事を諦めなかった
身体の痛みより…
隆ちゃんを傷付けた事のほうが
よっぽど痛い…
私を大切にしてくれた彼を
一方的に突き放して…
その方が何倍も苦しいよ…
哲「ひっでー顔…
これじゃ、萎えるわ… 笑」
ようやく諦めたのか
殴り疲れたのか…
哲哉くんは部屋から出て行った
安心したのと同時に
全身に経験した事もない激痛が走る…
何とか手探りで傍にあった服に
手を伸ばすけど
思うように身体が動かない
酷い姿のまま
ブランケットにくるまって
部屋の隅に隠れるように
座り込んだ…
もう…
疲れた…
頭がぼーっとする中
微かに聞こえる
何かを叩く音…
それが何なのかも
分からずに
全身の力が抜けていき
そのまま
意識を失った…