朝、名残惜しく由香を送り出して
久々ゆっくり寝てから
メンバー会議で午後には
事務所に向かった…
岩「隆二さん、彼女出来たって
本当っすか??」
隆「んー? うん 笑」
岩「えーっ やっぱマジかぁ…
どんな子??
写真ないんすか??」
隆「あるけど、見せないよ〜 笑」
岩「何でー? 見せて下さいよーっ」
隆「今度な! 笑
それに、何だか浮かれてる場合じゃ
ないんだよね…
岩ちゃんは、この前居なかったけどさ
ちょっと色々あるみたい…
俺、トラブるかも…」
岩「あぁ… 聞きましたよ?
でも、隆二さんて確定したわけじゃ
ないんでしょ?」
隆「いや、多分俺だよ…
しかも記者じゃないと思う…
彼女さ、訳ありなんだ…
だから今いろいろ考え中…」
岩「訳ありって…
何? 人妻とか?
えーっ!? 隆二さん、まさか不倫?!」
隆「違うからっ!!
岩ちゃん、声デカイ!!」
慌てて岩ちゃんの口を押さえた
不倫…ではない
由香は、婚約してるけど
正式に結婚してるわけじゃないし
先輩とは
遅かれ早かれ
ちゃんとケジメをつける
会議室には俺と
岩ちゃんしか居ないけど
どこで誰が聞いてるかなんて
分からないし…
隆「今直ぐは話せないけど…
本当いろいろあるんだよ…
ちゃんと、みんなには
折見て話すから…
ごめんね? 」
岩「そっかぁ…
何か、大変っすよね…
恋愛って…
俺らって、恋愛禁止じゃないけど
堂々となんて出来ないし…
何かあれば、すぐにある事ない事
言われて… 」
隆「臣もそうだけどさ…
自分は何言われたっていいじゃん?
でも、相手が傷つくのは嫌だよね…
本当は、我慢させたくないし
窮屈な生活だってさせたくないけど…
でも、それ以上に一緒に居たいんだよね」
岩「うわぁ〜 言うねぇ〜 笑
聞いてるこっちが恥ずかしいっ!」
隆「うるさいなぁ〜
もう、岩ちゃんには絶対に
紹介しないからっ!! 笑」
岩「え〜っ 嘘嘘!! 笑
まあ、でも…
俺は応援しますよっ
いや、みんな隆二さんの味方ですからっ!
事情は分からないけど、
隆二さんが選んだ人なら問題ないっす!」
岩「岩ちゃぁ〜んっ」
笑いながら、岩ちゃんに
抱きついて戯れ合う
普段から何考えてるのか
よく分からないし
ぼーっとしてるし
イマイチ頼りない末っ子だけど
何だか今は
岩ちゃんが凄く頼もしく感じるよ…
「なぁに、いちゃついてんだよ…」
岩「あっ 臣さん!
お疲れ様でーす 」
隆「お疲れ!
臣! 岩ちゃんが
すっげー頼もしい!! 笑」
臣「気のせいでしょ 笑」
岩「チェっ つまんなっ 笑」
臣「はぁ?!
おまえっ ふざけんなよ 笑」
岩「あーっ ごめんなさい 笑
助けて、隆二さんっ 笑」
臣の登場で
一気に室内が賑やかになる
全員揃ったら
更にうるさいんだろうな 笑
今日は早く帰れるかな〜
早く帰る約束したし
朝の続きも…
由香を思い出してニヤけてると
視線を感じて慌てて誤魔化した
臣「今、ニヤけてたよね…?
わぁ〜 やっらしぃ〜 笑」
隆「そお?
臣も、対して変わらないよ? 笑」
臣「あぁ… そうかもな 笑」
隆「アハハ 笑 だろっ? 笑」
三人で、ふざけ合って
他のメンバーが来るのを待った
夕方、会議も終わり
それぞれが好きな事をして
たわいもない会話をしながら
ダラダラ過ごす
キリのいいところで
我先にと帰り支度を始めると
ちょうど由香から電話が入った
電話してくるなんて
珍しいな…
少しだけ、不思議に思いながらも
テンションが上がって
電話を取る
隣の臣が、ベッタリくっついて
会話を聞こうとするから
鬱陶しい… 笑
隆『もしもーし
ちょうど今、終わったよ〜』
由『… ちゃん
ごめん… ごめんなさい…』
隆『え? 何?
声、遠いよ? どした…?』
『ごめん… 隆ちゃん…
私…
ハァ‥ … ック…
隆ちゃんとは
もう会わない…
哲哉くんの所に…
帰るから… ッ…
哲哉くんが
大切だから…
バイバイ… 』
隆『は?!
何言ってんの?!
由香!! おいっ!!』
思わず声がデカくなって
隣の臣も
他のメンバーも
俺を見てる
あいつ…泣いてた…
朝、あんなに普通だったのに
笑ってたのに…
由香…
まさか…
怒りと、不安で
いてもたってもいられなくて
上着を手に取ると
すぐに部屋を飛び出した
臣「隆二!!!」
臣が、後を追ってくるのが
分かった
廊下で腕を掴まれて
必死に止められる
臣「隆二!! 待てって!!
落ち着けよっ!!」
隆「落ち着けるわけねーだろっ!!」
臣「何があった?
言えって…
一人で抱え込むなよ…」
隆「… 連れてかれた」
臣「は?」
隆「由香が…
あの男に
捕まったんだよ…