隆ちゃんがLAから帰ってきて

お互いの気持ちを
確かめ合ったあの日から二週間…

毎日が凄く幸せで
心が満たされてる…


だけど

だからこそ…


私には
早く解決しなくちゃいけない事がある…

ずっと、頭にチラつく
あの人の存在…



隆ちゃんは巻き込みたくないし
柚や祐太郎達にも
迷惑かけれない…


私自身がどうにかしなきゃ…









最近、新しい職場に
通い始めて
園の雰囲気に慣れるのも
子供達や、
先生の名前を覚えるのにも必死で…


哲哉くんとの事も
それと並行して考えて…


頭の中が結構いっぱいいっぱいで…


でも、隆ちゃんの顔を見れば
やっぱり元気が出る

頑張ろうって
気持ちが自然と湧いてくるんだ…




今月に入ってから
隆ちゃんも仕事がかなり
忙しくなるみたいで
家に居る時間も少ないけど
それでも、時間を見つけては
マメに連絡をくれる…

LINEひとつでも
凄く嬉しくて…


早く、全部解決して
何の問題もなく
隆ちゃんと一緒に居たい

隆ちゃんの傍に…





仕事が終わって、自転車に乗って
職場を後にする

隆ちゃんが買ってきてくれた自転車


「都内はチャリがいちばんっ」

なんて言って
これに乗って帰ってきた姿が
凄く可愛くて…


顔はちょっと怖いのに
やる事は少年みたいで
そうゆう所も隆ちゃんの魅力


思わずフフっと声を出して
笑ってしまう…



つい最近まで
辛い日々を過ごしてたのが
嘘みたいに
今は、本当に幸せなんだなって感じる…




まだ、風が冷たいこの季節も
そんな事を思ってれば
寒さなんて気にならなくて
あっとゆうまに
隆ちゃんのマンションに着いた






あ…れ?


何か…


誰かに見られてる?




嫌な視線を感じて
思わず振り返る…


だけど、その先には
だれも居なくて…


気のせい?


なんだか、怖くなって
急いでエントランスに駆け込んだ



何…



やだ…



まさか…



哲哉… くん…?




そんなはずない…

彼が、ここを見つけられる訳ない…




隆ちゃんには

絶対言えない…




でも…
まだ分からない

勘違いかもしれないし…



とにかく…
早くしなくちゃ…


終わらせなくちゃ…













私がこの時、すぐに隆ちゃんに
話してたら
少しは違ったのかな…


隆ちゃんに

あんな顔

させないで済んだのかな…




隆ちゃんの一番
大切な物を
場所を

あなたの全てを

奪ってしまうのだけは
嫌だった…