由香は、感情を抑えきれないのか
話しながらも
涙を必死に堪えようと
してるのが分かった


思えば、俺が由香を
こんな風にさせたのかもしれない

幸せだって
言わなきゃいけない

幸せでいなくちゃいけない

あの時、あんな風に別れたのは
やっぱり間違いだったのかな…

お互いが、お互いの幸せの為に
離れたはずなのに…



由「幸せに…  なりたかったぁ…

 ただ、それだけだったのに…

 幸せ…  じゃない

 全然… 幸せじゃない…  」



泣きながら答える由香に
ゆっくり近づくと
顔を覆ってる手をそっと掴んだ




隆「…  顔あげて?
 泣いてたっていいから…
 俺を見て…?」

由「うぅ…   う… ンッ…  ッ… 
 隆… っちゃん… 」



隆「…  今、幸せじゃないなら
 それでいい…
 むしろ、俺はそれで良かった…

 由香…

 俺が、幸せにするよ…
 おまえを、幸せにしたい… 」


由香の手を強く握って
目を見て
しっかりと伝えた



由「… どうしよ…

 どうしていいか、分からない… 」

隆「すぐじゃなくていい…
 色んな事がありすぎて
 頭いっぱいだよな…
 ごめんな…

 由香の気持ちが
 落ち着いたらでいいから…

 少しだけ、考えてみて…」

由「…  うん。」

隆「荷物、出そっか… 笑」

由「あ… そうだね…
 忘れてた…  」

隆「だな 笑

 俺も、明日の準備しなきゃ…
 途中だったわ 笑 」

由「何時に出るの…?」

隆「マネージャーが12時半に
 迎えに来るけど…
 何で? 寂しい? 笑」

由「違っ…//
 そんなんじゃないよ… 」

隆「すぐ、赤くなる〜 笑
 冗談だよっ 笑

 お土産いっぱい買ってくるよ 笑」

由「大丈夫だよ…  気にしないで?」

隆「おまえが気にするなよ 笑」

由「気にするよ…
 迷惑かけたくないし
 気を遣わせるのもやだもん…」

隆「それは、俺だって同じだよ?
 由香に気遣われんのも嫌だし
 鬱陶しく思われんのも嫌だよ? 」

由「鬱陶しいだなんて…
 一度も思った事ないよ… 
 女々しいなって思う事はあったけど 笑」

隆「あー 笑
 よく、言われたな 笑

 ウダウダ悩んでたりして
 グチグチ言ってると、よく怒られた 笑」

由「根に持つし、
 変な所に口うるさくてさ 笑」

隆「何? 笑
 すっごい悪口言うじゃん 笑」

由「あ…   ごめん 笑」

隆「コノヤローっ 笑」


由香の頭をくしゃくしゃっと
撫でつければ
無邪気に笑って俺の手を掴む


由「やめてよー 笑 」

隆「女々しい男は、まだ嫌い?」

由「んー…    分からない…
 ネチネチ言う人は、苦手… 」

隆「だよな 笑
 優柔不断は? 」

由「私も、優柔不断だもん…
 だから、嫌いだけど言えない… 」

隆「俺も〜 笑 」

由「変わってないね、隆ちゃん 笑」

隆「由香も変わらないよ?
 何も、変わってない… 
 
 雰囲気も、話し方も
 笑い方も…
 何も変わってない…

 だから、余計に惹かれる…」

由「…//  やめてよ//  恥ずかしくなるっ
 何でサラッとそんな事言えるの?」

隆「サラッとね… 笑
 そんなつもり、ないのにな…」

由「隆ちゃん、早く準備してきなよ…」

隆「ヘヘ 笑
 また、忘れてた 笑

 そうだ! 由香、風呂は?
 まだなら、入っちゃえよ!
 俺、まだ入らないし
 仕事も少し残ってるから… 」

由「先に入るなんて、悪いよ…」

隆「だから、気にすんなって 笑
 廊下出て右ねっ
 安心して? 覗かないから 笑」

由「うん…   あ、パジャマ買い忘れた…
 下着しか頭になくて…」

隆「何考えてたのー?
 いやらしいなぁー 笑」

由「隆ちゃん!!」

隆「アハハ  笑   ごめん…  笑
 
 俺の着る?  デカイかもだけど…」

由「いい…

 隆ちゃんの服とか、高そうだし…
 Tシャツ1枚とかで何万円もしそうだもん…」

隆「まあ、否定はしないけど… 笑
 …ユニクロとかがいい?」

由「ユニクロとか最高… 笑」

隆「じゃあ、今度からユニクロ着る!」

由「何でそうなるの? 笑」

隆「だって、由香が…

 とりあえず、今日はこれ着て!」

由「… ブランドじゃん!
 こんな高級なの着れないっ」

隆「ワガママ?? 笑」

由「ワガママじゃないでしょ?
 普通だからっ! 」

隆「あっ!  じゃあ…
 確か…   ここに…

 あった! これこれっ 笑」

由「… J.S.B.??」

隆「これね、リハの時着るやつ 笑
 めっちゃ部屋着だから
 これならいいでしょ? 」

由「高いんじゃないの?」

隆「んー…  分かんない 笑
 いつも用意されてるから… 

 いいじゃん、これ着て!
 ほら、早くお風呂行ってきなっ 笑」

由「… うん、じゃあ…
 お借りします…  」



なんとか納得させて
由香を風呂に入らせた




仕事部屋に入って、明日の準備を
終わらせるとパソコンの前に座る

今のうちに仕事も終わらせなきゃな…



あー…


言っちゃったな…


我に返って、ふと思った


まさかこんなに早く
気持ちを伝える事になるなんて
思ってなかった…

触れるつもりすらなかったのに
あんな事しちゃったしな…


由香を抱きしめた感触
キスの感覚

思い出すと
一気に顔が熱くなった


あーあ…

仕事になんないわ…


LA行きたくねーな…