私の思う幸せは

一体何だったんだろう…


雁字搦めになって
幸せって言葉に囚われて…


彼が、沢山私に教えてくれた
与えてくれた
愛すらも
忘れちゃってたんだね…

身をもって感じて
よく分かってたはずなのに…

どうして
分からなくなっちゃったんだろ…


隆ちゃん


私は、どこで
間違えたのかな…
















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柚に、真剣に言われて
車の中で少し考えた…

柚は、私に嫌われてもいいって
それでもいいって
本気で伝えてくれたんだ…

柚を嫌いになんてならないのに…





柚「よし、着いた!
 誠ーっ! こっちこっち!」



ラーメン屋さんの駐車場に入ると
ちょうど三人がお店から出てきた


祐「由香? どうだった?」

由「うん、大丈夫! 
 打撲だって…   」

祐「そっか…
 骨とか異常はないんだろ?」

由「うん…   大丈夫だよ…
 ごめんね、みんなに迷惑かけて…」

誠「水くせーなぁ 笑
 気にすんなよっ!
 
 早く行こうぜ〜っ 柚んち!」

柚「本当に狭いからね?
 あと、騒がないでね!!
 うちのアパート壁薄いからっ!」

誠「はーい…」

祐「由香、本当に平気?
 俺らも一緒で… 」

由「うん。 平気だよ?
 久々にゆっくり話したいし…」





移動中…

祐太郎と、誠は
色々と話してくれるけど
隆ちゃんは、一言も話さなかった

話しかけても来なくて…

それが少しだけ寂しく感じた…




柚の家に着いてからも
隆ちゃんとはあまり話してない

考え事をしてるのか
表情ひとつ変わらずに
ただボーッとしてる



誠「おい、隆二〜
 おまえどうした?
 さっきからずっと静かだけど…」

隆「そお? 何か…
 懐かしいな… って 笑」




あ…

やっと笑った



隆「さっきから
 昔を思い出してた… 笑」




心臓がドキッと音を立てる


私を見て、隆ちゃんが笑うから…


キリッとした目がクシャッとなる

この笑顔が私は大好きだった…




隆「…  由香?
 
 由香は、これからどうしたい?
 先輩とこれからも生活していきたい?」

由「… え? 」

誠「いきなり?!
 さっきまで、あんな黙ってたのに…」

隆「いや、少し考えてて…

 ごめんね、由香…
 俺ね、少し聞いてたから
 色々と調べたりしてたんだ…
 DVについて…

 由香は、自覚してるのか分からないけど
 先輩が由香に対してしてる事は
 間違いなくDVだよ?
 由香を恐怖で支配して、自分の都合の
 いいようにしたいだけ…

 結婚だって、由香と幸せな家庭を作るために
 するんじゃないよ…

 由香を都合よく傍に置いておくためだよ?

 そこに、愛なんてないと思う…

 こんな酷な言い方したくなかったけど、
 俺は由香が心配だし、大切だから
 先輩の元には帰ってほしくない…

 あの人は、変わらないよ?
 現に昔から何にも変わってない…」

由「…  昔から?」

祐「あぁ…

 由香は知らなかったんだろうな…
 じゃなきゃ、先輩みたいな男を
 おまえが選ぶ訳ないもん…

 隆二としか付き合った事ない由香が
 何でよりによって先輩なのかって
 不思議だった…」

由「… どうゆう意味?」

祐「隆二は、おまえを凄え大事にしてたよ?
 それは由香自身が一番分かると思う…

 そんなおまえが、何で先輩を?って
 思ったんだよ…

 あの人は、昔から暴力的だったし 
 女にも手を挙げる…
 しかも取っ替え引っ替え遊んでた…
 そんな人だったよ?

 だから、不思議だった…

 隆二と一緒に居たんだから
 幸せが何かなんておまえは分かると
 思ってたから…  」

由「… そんな

 哲哉くんは…
 そんな人じゃ…
 優しい人だよ…   私が辛い時は
 いつも傍にいてくれたし…
 男の子にしつこくされてる時も
 毎回…   助けてくれたの…

 ずっと守ってくれるって
 約束してくれた…   」

柚「全部…  全部、由香を自分の物に
 するためだよ…
 先輩が、由香に優しかったのは
 由香を信用させる為なの!
 
 だから、結婚決まってから
 暴言吐いたり殴るようになったんだよ?
 由香を手に入れた気になって…

 それに、先輩他に女の人居るよね?
 由香も気付いてるでしょ?」



何も言えなかった…

隆ちゃんや、みんなの言うことが
いろいろと重なりすぎて
私の見てきた哲哉くんは
偽物だったって事なの…?


確かに…


落ち着いてゆっくり頭を整理して
考えてみたら
腑に落ちる点は沢山あった…


結婚する事が決まってから
日に日に哲哉くんは変わっていった

最初は、些細な事で…

少し言い返したら
怒鳴るような強い口調で罵られた


ゆっくり
ゆっくりと変わってく彼に

私も、ゆっくりと
慣れてしまってたのかもしれない…




だけど、今更…

いまさらどうすればいいのか
分からないよ…