一週間前…

直人君から急に呼び出された

向かった先は、中目黒

直人君お気に入りのダイニングバー


中に入ると、奥の個室に
通された



直「お疲れっ!
 ごめん、急に呼んじゃって…
    忙しかった?」

ハ「いや、ちょうど撮影終わったから…
 所で何なの? このメンツは 笑」

直「まぁ、そうなるよね〜 笑」



そこには、直人君の他に
登坂君と健二郎君
岩田君の姿があった



健「お疲れっ!
 いや、実はね… 」



なるほどね〜


ひとまず飲み物を頼んで
乾杯すると
健二郎君が話し始めた


三代目の東京公演最後の日に
登坂君が花ちゃんに
プロポーズするらしい



直「プロポーズ大作戦!!!」

ハ「普通にパクるね 笑」

直「いいでしょ!
 とにかく、このサプライズ作戦には
 ハヤトの力が絶対的に必要なわけよっ」

ハ「あ、そうなの?
 で、俺は何をしたらいいの?」

健「まずは当日、花ちゃんと春を
 会場に連れてきて欲しいんや…
    花ちゃん、何か渋ってて
 誰か居ないと来なそうやし…

    一応、直人さんがほぼ強制的に
 来るようには言うんやけど
 変にあの子は頑固やから…」

ハ「OK! とりあえず連れてけば
 いいのね? 
 で、俺もライブ見ていいの?」

健「そこは、OK!
 ID渡しとくから関係者席なら
 好きに入れるからっ!」

ハ「やった♡   
 でも、連れて行くだけでいいのー?
 つまんなーい
 俺も、プロポーズしたーい!」

直「いや、やめて 笑
 本当笑えないからね
 それ今、言っちゃダメなやつね」

ハ「冗談だよ〜ん
 ごめんね、登坂君 笑

 俺ね、結構何回か花ちゃんに
 お嫁に来てって言ったんだけど
 見事にスルーされてるから 笑

 ちゃんとプロポーズできる
 登坂君が羨ましいわ 笑

 応援するよ、俺」

臣「… なんか

 ありがとうございます。
 
 で、いいのかな? 笑」

ハ「アハハ 笑
 何それっ 笑
 
 でもさ、凄くない?
 俺、めちゃくちゃ嫌われてたじゃん? 笑
 登坂君、分かりやすいくらい
 俺に対して敵意むき出しだったよね? 笑

 それなのに、今は一緒に酒飲んでるよ?
 何年か前じゃ絶対あり得ないよね 笑」

臣「確かに…

   本当あの頃は俺、大っ嫌いでした 笑
 でも、あなたは
 花を救ってくれた…

    ずっと傍で、花を支えてくれました。
 だから今は感謝しかないです…

    ありがとうございました。」


 

うん、ちょっと傷ついた

分かってはいたけど
面と向かって
嫌いだったって
過去形でもショックなもんだな


その後、当日の流れと
具体的に何をすれば良いかの
説明を長々うけて
時に話が脱線して
業界の色んな噂とか
あの女優と俳優が付き合ってるとか
あのモデルはどうだとか
そんな話に花を咲かせて
あっとゆうまに時間が過ぎた




直「じゃ、当日よろしく頼むよ!

 詳しい事は前日までに連絡するから。
 とにかくハヤトは花と春を
 確実に安全に会場まで連れてきてねっ」

健「絶対やぞ! ホンマ頼んだかんな!
 攫って居なくなったりすんなよ? 笑」

ハ「えー? どうしよ 笑
 やっぱり、登坂君には渡さない!
 とか言って連れて行っちゃうかもよ? 笑」

臣「いやいや、勘弁して 笑」

ハ「俺だってさぁ〜
 本っ気で本っ当にずーーーぅっと
 花ちゃん大好きだったんだからね? 笑
 
 登坂くん…
 マジで、花ちゃん幸せにしてね…
    泣かせたり、悲しませたら
 次はないからね…

    その時は、容赦なく奪いに行くよ…」

臣「大丈夫! 絶対に幸せにするから…」

ハ「頼むよ、本当に…」




最後に、力強く握手して店を出た













あれから、日にちが経つの
凄く早く感じたな…

今日で、俺の恋はおしまい

長かったなぁ…

出逢って、すぐに惹かれて
こんなに一人の女の子を
想った事なんて
今までなかったよ

初めてだった


でも、すっげー楽しかった


花ちゃん、俺は君に出会えて
恋をして
本当に良かった

沢山迷惑かけたね
鬱陶しがられるくらい
いつも花ちゃんの傍に居たよね

ちゃんと言葉にして
真面目に言ったことないけど…

花ちゃん

俺、花ちゃんが大好きだよ

めちゃくちゃ大好き



幸せになるんだよ

いっぱい笑うんだよ

花ちゃんの笑顔は特別なんだから…




ライブに集中してる花ちゃんを
後ろから暫く眺めて
そっと席を立った


さて、俺も準備しなきゃ…

萌ちゃんに連絡を入れて
一度車に戻ると
トランクに隠してた荷物を取り出した