俺の決断は果たして正しかったのか…
臣に全てを話して
本当に良かったのか…
結果、こんな事になるなら
もっと早く臣に伝えてたら
今頃、花と春は
臣の隣で幸せに
笑っていたのかもしれない…
事務所に戻って
打ち合わせ中も
頭の中はグルグルその事で
いっぱいだった…
一緒に居た、健ちゃんも
隆二と岩ちゃんも
表情は曇ったままで
全員それぞれ何かを
考えてる様子だった
健「… お疲れ様でした。」
直「お疲れ様… 」
隆「俺らに… 何か出来ないんすかね…」
花ちゃん、俺らの事まで考えてたって
事でしょ？
… 辛かった だろうな…」
直「花がさ、ハルを生んでから
弱音吐いたのは
１回だけだったよ…
一人で育てるって決めたけど
もしもこの先、自分の身に何かあったり
したら ハルが一人ぼっちになるって…
そんな事ばっかり考えてたら
悪い事ばっかり浮かんで
抜け出せなくなっちゃうんだって…
泣いて 電話してきた…
そんな事もあった…」
岩「花ちゃん…
俺らの為って…
そんなんどうだっていいのに…」
健「分かってるやろ？
あの子はそうゆう子や…
いつだって、臣ちゃんや
俺らの活躍を祈ってた…
昔からずっと傍におったから
全部見てたから
言えなかったんや…」
隆「… 直人さん
俺らに出来る事って…」
直「俺はさ…
ずっと、ひとつしかないよ
花には絶対に幸せになってほしい…
笑っててほしい…
その為なら何だってするよ…
あいつが幸せになれるなら
笑ってられるなら
俺はそれでいいから…
だから、臣にもみんなにも
全部隠してた…
花が望んだ事だから…
でも、間違ってたのかもな…」
健「… 俺やったら…
もしも、俺が直人さんの立場でも
きっと同じやったと思います…
好きな女の子に
あんな風に頼まれたら
たとえそれが間違ってたとしても
その子がそれを望んでて
幸せになれるんなら
俺は… やっぱりそうします。
だから、直人さんは
自分を責めたらダメです…」
岩「そうっすよ！
今は、花ちゃんと臣さんが
元に戻るにしろ何にしろ
とにかく、花ちゃんと春くんを
あんな目に合わせた奴を
どうにかするのが、先ですよ！
このままだと、臣さん本人にも
何かしてくる可能性だってあります！
そしたら俺ら全体にも
関わってくる訳だし
早く警察に突き出してやりましょう！
子供にまで手を出すとか
普通じゃない…
絶対に許せませんよ！」
直「あぁ…
その事に関しては
臣からHIROさんに連絡してるみたいだけど、
どう動いてくれてるのかは
まだ分からない…
まずは、花と春が目を覚さないと…
俺、何も手につかねーよ…」
隆「… 臣は、どうするつもりなんだろ…
蘭ちゃんの事もあるし…
表立って動く訳にもいかないし…」
直「今は… 今あいつは
花の傍にいる事しか頭にないと思う…」
隆「そうですよね…
自分のせいでって
そんな風に責めてなきゃいいんですけど…」
暫く沈黙が続いて
思い空気が流れたまま
全員で会議室を出た
〜♪ 〜♪ 〜♪ 〜♪
直「臣からだ…
ハイ… お疲れ様…」
臣「すいません、打ち合わせ…
花、ついさっき意識戻りました。」
直「本当か！？ すぐ行く！！」
電話を切って
マネージャーを捕まえると
すぐに病院に向かってもらった
花…
花…
病院に戻ると直ぐに
病室に駆け込んだ
居ない…
臣「直人さん… こっちです」
直「臣… 春のとこか？」
臣「はい… 」
春の病室に入ると
春の手を握りながら
花がこっちを振り返った
花「… 直人…
うぅ… 直人ぉ… ック…
直人ぉ… 春が… 春が…」
体が自然と動いて
花を抱きしめた
臣が居ても関係なかった
花が… 泣いてるんだ
直「… 花、大丈夫…
大丈夫だ… 」
花「… うぅ… うっ…
怖い… 春が… 春が…」
直「うん… 怖いよな…
でもな… 信じよう… 春を…
春、頑張ってるから… 」
花「… うぅ ック… 」
臣が、そっと部屋を出て行くのが
分かった…
顔なんて見なくても分かる
おまえがどんな表情してるか
ごめんな、臣
今俺は… この手を離せないわ…