朝、テレビを点けると
ほとんどの番組が同じ内容で
それと同時に苛立ちと驚きを隠せない
なんだよ、 コレ…
花ちゃん… 大丈夫かよ
あいつ、RANと付き合ってたのか…
「お疲れ様！
今、TVで初めて知ったけど…
花ちゃん…
大丈夫なの？」
とりあえず直人さんにLINEをした
〜♪〜♪〜♪〜♪〜
直「もしもし？ ちょうど連絡しようと
思ってたんだよね。
花は、昨日会ってきたけど
一応話してあるから
今日の報道は分かってる…」
ハ「大丈夫そう？
俺、今日の夜は空いてるから
行ってこようか？」
直「それがさ、萌ちゃんとも
話したんだけどね…
平気なフリはしてたけど、
ひとりになりたい感じだったから
そっとしといてあげたくて…」
ハ「あー… 行かない方が良さげ？」
直「俺も、傍に居てやりたかったけど
そんな雰囲気じゃなくてさ…
色々あいつなりに
考えたいんだと思うから…
気持ちの整理つくまでは
連絡はするけど、そっとしとこうって
事になったんだよね…」
ハ「そっか… 直人さんがそう言うなら
その方がいいのかもね…
めっちゃ心配だけどさ…
泣いてないかなぁ… 花ちゃん…」
直「分かんない… でも、メソメソは
してらんないと思う
春が心配するからさ…」
ハ「確かに…
春のためにも、泣いてられないよね…
分かった！ じゃあ、少し経ったら
俺も連絡してみるわっ！
直人さんも、何か変わった事あったら
教えて！ 頼むねっ」
直「了解！ じゃ、また近々！」
直人さんは、花ちゃんに
わざわざ知らせたのか…
まあ、何にも知らずに
ネットやTVで知るより
良かったのかもな…
でも、やっぱり…
俺は放っておけない…
ごめん、直人さん…
仕事がいつもより長く感じた
一分一秒でも早く
花ちゃんの元に行きたい
行って何を話そうか？
花ちゃんはどう思うのか…
鬱陶しいかな？
迷惑かな？
ぐるぐる色んな事を考えて
人の会話すらまともに頭に
入ってこないまま
ただただ、時間が過ぎるのを待った
夜、7時過ぎ
急いで車に飛び乗って
花ちゃんの家まで向かった
近くのパーキングに車を停めて
目の前の自販機でコーヒーを
買おうとした時だった
花ちゃんの部屋のベランダを
見ると、ちょうど花ちゃんが
ハルと洗濯物を入れてた
ジャリ… カシャッ カシャッ
ハ「おい！ おい、おまえだよ！」
「… え？ あ、 あの… その…」
ハ「何してんだよっ！
おまえ、誰だよ？！
週刊誌か？ 何なんだよ！」
「週刊誌？ あ…れ？ あなたは…」
ハ「その感じ、記者じゃねーんだろ？
警察呼ぶぞ！ 」
「いや、すいません！
何もしてません！！」
ハ「待てよっ！ おいっ！！」
逃げられた…
誰だよ…
間違いなく花ちゃんの事を
撮ってた…
このタイミングで…？
記者じゃない…
じゃあ、誰だ？
ストーカー？
花ちゃんは…
気づいてるのか…？
言った方がいいのか？
いや、不安にさせるだけ？
散々悩んだあげく
記者だった時の事を考えて
念のため、花ちゃんの家には
行かずにそのまま引き返した
この時の事を、俺は後に
後悔する事になるとも知らずに…
行かなくても
せめて伝えておけば良かった…