ー 三年後 ー
「ありがとうございました!
またのご来店お待ちしております!」
「花ちゃん、今日はもういいわよ〜
ハル君迎え行ってあげて?」
花「はい! ありがとうございます!
すいません、お先に失礼します。」
美「はーい、また明日ねっ
お疲れ様っ」
2年前、ハルの保育園が
決まったのもあって、
家の近くの小さな美容室で
働き始めた
従業員は、母親位の年齢の
オーナーの美和さんと
あたしの二人だけ
お客様もご近所さんがメインで
温かい人柄の方ばかりで
凄く働きやすい
あの頃のあたしを誰も知らない
なんにも知らないこの街で
春と二人、やっと馴染めてきた
春は、保育園に入ってから
お友達もたくさん出来た
あたしも、何人かママ友が出来た
静かで、温かい人ばかりの
この場所で、大変な時もあるけど
それなりに幸せに暮らしてる
相変わらず、直人やハヤト君、
萌と健ちゃんもフラッと
遊びに来てはハルを可愛がって
散々甘やかして帰っていく 笑
そんな、幸せな日常が
また少しずつ変わりつつあるなんて
まだあたしは、気づいてなかった
いつか、こんな日が来るって
心のどこかでは
覚悟出来てたのに…
覚悟していたはずなのに…
やっぱり、あたしの心を
掻き乱すのは
いつも、たった一人で…
その存在が、
やっぱり今でも
とてつもなく大きいんだ…
「ママーーー!!」
花「春〜っ ただいまっ♡」
春「おかえなしゃいッ!」
先「おかえりなさい。
今日、ハル君偉かったんですよっ!
お友達が転んじゃって、
そしたら、手を差し出して
起こしてあげて…
痛くないよー って。
大丈夫だよー ってニッコリ笑って。
もう、その姿が本当に格好良くて 笑
職員みんなで感動しちゃいました!」
花「えーっ 本当ですか?!
見たかったなぁ 笑
春〜、偉いねぇ!
大丈夫できたんだねっ♡」
春「うん!!
直くんがね、ゆってたの〜」
花「ん?」
春「直くんがね〜、泣いてる子いたらね
大丈夫だよってするんだよって」
先「直くん??」
花「あ、私の友人です 笑」
春「うん! ママのおともらち〜っ
あのね! 直くんね、ダンスしゅるの!
こうやって〜 カッコイイの!」
花「ん〜 アハハ… 笑
ハル、じゃ帰ろっか?
先生にさようなら しようね〜 笑」
春「せんせっ! さよーならーっ!」
先「はい、さようならっ
また明日ね〜っ」
花「ありがとうございましたっ」
焦った…
まさか春が踊るなんて…
確かにこの前、直人が教えてた…
最近、お喋りが上手になったから
保育園で何を言ってるか
分からないからヒヤヒヤする…
花「春〜 今日のご飯何がいい〜?」
春「ハルくんねー、
ハンバーグ!! あと、ポテト!!」
花「よーしっ! じゃあ、
ハンバーグにしようっ!
ポテトは、お星様のにしようっ!」
春「わーいっ♪ お星さまっ♪ お星さまっ♪」
花「じゃあ、お買い物して
帰ろうね〜っ♡ レッツゴーっ!」
春「レチュゴーっ!」
スーパーに寄って
二人でお歌を歌いながら
家に帰った
春「ど〜の〜は〜な み〜て〜も〜♪
き〜れ〜い〜だ〜なぁ〜♪
ハル、じょうじゅーっ♡
あー! ハート!!ハートだっ!」
花「え? あ、ハヤトくん!」
マンション前の駐車場で
ハヤト君が車から手を振ってた
春「ハート!! たらいまーっ!!」
ハ「おかえり〜♡ ハル〜っ♡」
春「今日ねー、ハンバーグしゅるの!
ママとコネコネってしてね、
ハル食べるの! 全部食べるの!」
ハ「おっ いーなぁハンバーグ!
俺のも作ってよ、ハル〜♡」
春「いーよっ! 早く! お家行こっ!
あしょぼっ! 電車あるよっ!」
ハ「よし! じゃ、遊ぶか〜っ 笑
花ちゃん、そんな感じでよろ〜♡」
花「 もーっ 笑
いっつも急なんだから 笑
連絡くらいしてよ 笑」
ハ「突然来るから面白いじゃん? 笑
迷惑なら、辞めるけどさっ」
花「迷惑!」
ハ「えっ!?」
花「嘘 … 笑
ちょっとだけ、嬉しい 笑
ビックリするけどね… 笑」
ハ「おっ? 素直じゃーん 笑
嬉しいとか 笑
俺も、そう思って貰えて嬉しっ♡」
花「はいはい 笑
今日、オフだったの?」
ハ「午前中だけ、撮影入ってて
あとは、なし〜♪
明日は午後から〜っ」
花「そっか! じゃ、ゆっくり
していけるね〜
春も喜ぶし、本当助かるっ!」
ハ「そんな事言われたら
毎日来ちゃうよ? 笑
まっ、俺はいつでも
花ちゃんと春、ウェルカムよ〜♡
お嫁に来る〜? 笑」
花「もうっ! また、そうやって
チャラい事すぐ言うんだからっ 笑
本当変わらないよねっ 笑」
ハ「ハハハッ 笑
これが俺だからね〜っ
春〜! 手、洗うぞ〜っ 」
春「はーぁいっ!」
春はめちゃくちゃハヤト君に
懐いてて、ハヤト君が来ると
本当に嬉しそうにしてる
あたしの言う事は聞かなくても
ハヤト君の言う事はちゃんと聞く
あたしはどうしても男の子目線の
遊びがよく分からなくて
ハヤト君や、直人には
凄く助けてもらってる
だから、たまに思うんだ…
もし、臣が居たらって…
臣がパパだったら
春はまた少し違う感じに
成長してたのかなって…
臣は… 子供の頃の臣は
どんな感じだったんだろ…
春は、似てるのかな…
臣に…
似てるのかな…