「あっくん…」
あ「こっち… 帰って来てるんすか?」
花「…
電車来ちゃうから…
ごめん、行くね?」
あ「… 何で来たんですか?
今日… どうして…」
花「観たかったから…
観とかなきゃって、思ったから…」
あ「花さん! あの… 連絡先!」
花「ごめん!
あっくん…
頑張ってね!! 仕事、
あたし、応援してるから!!
バイバイ… 」
あ「花さん!!」
掴まれた腕を振りほどいて
慌てて改札を入った
追ってくるような感じは
しなかったけど、
一応、周りを見渡してから
電車に乗った
色んな事を思い出して
考えて、切なさが
胸を締め付ける…
やっぱり行かなきゃ良かったかな
行かなければ
こんな風に思わなかったかな
ずっと、閉まってた思い
溢れ出しそうになるのを
いつも我慢してた…
自分で決めた事だから…
でも… やっぱり辛いね
臣…
会いたいよ…
ーーーーーーーーーー
直「おかえり〜 笑」
花「ただいま… 」
駅に着くと、直人が
迎えに来てくれた
直人の顔を見たら
一気に涙が出てくる
我慢出来なかった…
直「ヨシヨシ 笑
こうなる気はしてた… 笑」
花「直人ぉ〜… 」
直「… 泣くなよ〜 笑」
花「うぅ… うっ… ック… 」
直「おまえは、ほんっとに
泣き虫だな… 笑」
花「… ごめん」
直「ちょっと、寄り道すっか?」
花「でも… 」
直「ハルなら大丈夫だから…
ホラっ 早くっ 笑」
差し出す直人の手を掴んで
涙を拭きながら
ただ手を引かれるまま歩いた
直「臣、かっこよかったっしょ? 笑」
花「うん… 臣だった…」
直「ハハハ 笑 なんだよそれっ 笑」
花「だって…
臣は、臣だから…
カッコいいのなんて分かってる…
今日見た臣は、話し方も仕草も
全部あたしの知ってる臣で
あの頃のままだった…
変わらない、その姿が
すごく嬉しかった…」
直「あぁ…
臣は、何にも変わってねーよ…
俺さぁ…
俺はさ、おまえが聞いてこないから
あいつの事は話さないけど…
おまえが、あいつの事知りたいなら
いつでも話すつもりでいるから…
まあ、花の事は死んでも臣に
言えねーけどな 笑」
花「… うん。
直人… 今日、ありがとね…
本当に… 本当にありがとう」
直「俺、めっちゃいいやつでしょ? 笑」
花「フフ 笑 うん 笑」
直「よしっ!! 涙も止まったし
帰るかっ! 健ちゃん特製の
スペシャルディナーが
待ってるしな 笑」
花「うんっ! ねーねー、
健ちゃん、何作ってくれたの?」
直「ん? お楽しみ〜♡」
花「えーっ なんだろぉ…
気になるーっっ 笑」
直「言っとくけど、俺も手伝ったからね?」
花「そうなのー? 心配だわー 笑」
直「おまえっ このやろっ 笑」
花「アハハハ 笑
やめてよっ 笑
頭ボサボサじゃんかぁーっ」
やっぱり、直人と話してると
元気になれる
本当に楽しい
ありがとう直人
いつも、助けてくれて
あたしを笑わせてくれて…
二人でふざけながら
家までの道を歩いた
蝉の鳴き声が
響く夏の夕暮れ
久々に臣を思って泣いたけど
あたしには
それもスッと忘れさせてくれる
大切な友達が居るんだって
改めて実感した