朝早くから事務所に呼ばれた
花ちゃんの家に
遊びに行った日…
一人でスーパーに買い出しに行った
その姿がバッチリ週刊誌に
撮られてた…
【都心から車で1時間の
通い愛！？】
ふざけた見出しだ…
スーパーで、電話をしながら
買い物する姿が写し出されてる
浮かれすぎてて、
全く気づかなかった…
マ「ったく！ おまえは！！
あれほど気をつけろって
言ってたのに…」
ハ「すいませんでした…。」
マ「本当は相手アパートから
出てくる姿もあったんだぞ…
まあ、それは社長が
動いてくれて載せない事に
なったけどな…
流石に家バレはな… 」
ハ「まじ！？ いや、それはヤバイ！
つーか、相手の写真は！？
大丈夫だったのかな！？」
マ「相手の子は撮られてないし、
特定されてないから大丈夫だ。
一般の子か？ 」
ハ「んー… まぁ…」
マ「… まさか、おまえ…
高橋さんか？ 」
ハ「え？ 何で分かるの？」
マ「はぁーー… ハヤトおまえなぁ…
２回目だぞ？
それに、今あの子は…」
ハ「花ちゃんさ…
ひとりぼっちなんだよ…
ひとりで毎日居るんだ…
友達も親も、みんな切っちゃって…
それで、ひとりで子供産むんだよ？
そんなの寂しすぎるだろ…
だから時間あるときは、
俺が会いに行ってた…」
マ「そうだったのか…
おまえってやつは… 」
ハ「でも、まさか…
撮られてるなんて思わなかった…
本当に、迷惑かけてすいません…」
マ「でも、本当気をつけろよ？
今回は事務所の意向で、
コメントなしでいくからな…」
ハ「分かりました。」
最悪だ…
花ちゃんが見なきゃいいけど…
もし知ったら、もう来るなって
絶対に言われるに違いない
とりあえず、仕事行かなきゃな
カ「あっ！お疲れ、ハヤト！」
現場に入ると、
カイトが真っ先に駆け寄って来た
カ「あのさ、萌ちゃんが
来てるんだけど…
ハヤトに用事だって…」
ハ「え？ 俺？」
カ「バレたんじゃねーの？
記事見て気付いたんじゃない？」
ハ「ハァ… まじか…」
萌ちゃんか…
そうだよな、あの子が
何にも思わないはずがない…
どうしよう…
突然のことに少し戸惑いながら
楽屋に足を踏み入れた
カイトとユウトは気を利かせて
席を外してくれた
ハ「お疲れさま… どうしたの？
俺に用事なんて珍しいじゃん 笑」
萌「コレ… どういうつもり？」
そう言って、週刊誌を
開いてテーブルに置いた
ハ「友達と鍋するのに
スーパー寄ったら撮られた
だけだよ？ なにー？
花ちゃんが海外に行ってる隙に
浮気でもしてると思ったの？ 笑」
萌「コレ、花のとこ行ったんでしょ？」
ハ「？ 花ちゃん？
花ちゃんは海外に居るけど？」
萌「いいから、そうゆうの…
花が海外に居ないのは分かってる！
それは、調べたから…」
ハ「ハハ 笑 そっか…
さすがだね、萌ちゃん 笑」
萌「花と付き合ってるのだって
嘘でしょ？ 花は、そんな事
できる子じゃない…
それに、ハヤト君を
好きになる訳がない…」
ハ「すごい言われようだな 笑」
萌「ねえ… 花に会わせて！
どこに居るか知ってるんでしょ！？」
ハ「… それは、出来ない」
萌「何で！？ お願い！！
花に会わせてよー…
あたし、言わないから…
絶対に誰にも言わない…
健二郎にも… 」
ハ「萌ちゃん… あのね…
花ちゃんが望んでるんだ…
誰にも言わない約束なんだ…
だから、言えない ゴメン…」
萌「嫌！！ あたし、教えてくれるまで
帰らないからっ！！
花はね！ 花はあたしの大切な
大切な友達なの！
だから、あの子がひとりで
何か抱え込んでるなら
あたしは、助けてあげたいの…
ほっとけないの…」
ハ「… ゴメン」
萌「だったら… だったら今
花に電話して？
話しがしたいの…
お願い… 少しでいいから…」
ハ「萌ちゃん… 」
萌「お願い！ お願いします！」
ハ「分かった… ちょっと待って」
今にも泣き出しそうな
萌ちゃんに負けて
俺はスマホを取り出した
電話して、萌ちゃんが居るなんて
言ったら花ちゃんはきっと
めちゃくちゃ怒るだろう…
でも、仕方ない…
謝ればいいや…
ハ「あ、もしもし？ 今、大丈夫？」
花「うん、ちょっとゴロゴロして
ただけだよー 笑
この前、楽しかったぁ〜
ありがとねっ 笑」
ハ「… うん。 俺も 笑
あのさ、花ちゃん…」
萌「貸して！！
花…? 切らないで！！」
萌ちゃんは
俺の電話を取り上げた…