本来の私なら、恐らく役所の人の言葉に腹を立てていただろう。


しかし、その時期の私は、これからの生活への不安と心細さ、結婚生活を続けることができなかったことの自責の念と劣等感・・・

そんな感情の渦に飲み込まれそうになりながら、それ以上に寂しさや悲しみでいっぱいになっている娘を守ること、支える事で精神状態がいっぱいいっぱいだった。


「働かないんですか?」


役所の男性の言葉が突き刺さった。


泣き顔になった私に気が付いてか、奥から年配の女性職員の人が現れ、すぐに窓口が交代となった。

私の書類に目を通し「一人で頑張ってこられたんですね」と声をかけてくれた。


どちらが出口かも分からない、真っ暗なトンネルの中にいるような毎日の中で、周りの人の些細な言葉は私にとって暴力にもなり、耐える力にもなっていた。