2/10 棟方志功 幻の肉筆画展 | Emi Grace

Emi Grace

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恵美グレース

金曜日の夜、銀座で所要を済ませてから、日本橋までお散歩。

三越で開催中の、棟方志功氏の展示を観て参りました。


“世界の棟方”と呼び愛される、著名な版画家ですが、

実は、画業の出発は絵画だったって、ご存知ですか?

今回は、絵画の展示が2/3の、珍しい展覧会でした。



恵美グレース
オイルのデッサン画に始まり、病の友人の為に、邸宅内の
ふすまや障子、扉あらゆるところに自由奔放に描いた
ダイナミックな彩色絵画が並び、会場はムナカタの世界の只中。
迸るように溢れてくるエネルギーをぶつけるかのようなタッチは
荒々しくも、煌々としたエランビタールに満ちて、観ていると、
オレンジ色の太陽に照らされるような気持ちになりました。


どこかで、この感じ、観たことあるな…
そう思いながら、絵画と対峙していたら、ふっと思い出したのは
黒澤明さんの絵コンテ。
やはり、このように勢いのある絵なのですが、
似ているのは、そこではなくて、画家にとっての絵の存在。


黒澤明さんといえば、ご存知の通り、あくまで映画監督として
世界に名を知らしめた方ですが、元々は画家志望でした。
絵画で、初めて受賞したときに、絵画から映画へと道を変えたのですが
映画をつくる時にも、イメージの手段として、絵を描き続けました。



恵美グレース

(↑参考;映画「影武者」絵コンテ)

エネルギッシュで明るい力に満ちた、良い絵なのですが、
映画に比べると、何かが足りない。ように感じてしまう。
それはつまり、黒澤明氏の、最も彼自身をを引き出すもの、
ではないからなのだと、わたしは思うのです。
それと同じことを、棟方氏の絵画にも感じたのです。

最後、版画作品を観て、そのことを確信しました。
やっぱりこのひとは、版画の“世界の棟方”なんだなぁ、って。



恵美グレース

漲るパワーにあてられたのか、
観覧にちょっと疲れてしまい、長椅子に座って一休み。
目の前には、有終の美を飾るかのような素晴らしい版画絵。
ここに辿り着くまでどんな葛藤を乗り越えてきたのだろう、
自分と重ねながら、そんなことを考えていたら、
 うんと悩めばいい
ふっとそんな声が聞こえてきました。


この未熟者に囁いたのは巨匠なのか誰なのか、分からないけれど
見透かされたような、どけど温かいその一言に、
張り詰めていた糸が切れて、途端に涙が落ちそうになりました。

迷わずに、うんと悩めばいい。
焦らずに、うんと悩めばいい。
うんと、うんと悩めばいいんだ。
悶々としていたことが、クリアになりました。


一流に触れ、一流に教えられることは多いですが、
今回は、一流に救われたような気分です(^ ^;)
そんな作品群に出逢えた自分の幸運に、心から感謝です。
そして、そんな作品を遺してくれた画家に心から乾杯!


帰り道は、澄み渡る冬の青空みたく、突き抜けて。
寒さも心地よいくらいで、鼻歌まじりに。



まだまだ道のりは長いですが、一歩一歩頑張って参ります。
日々是精進!