クリニックのお昼休憩時間に、30代の男性が来院されました。
午後の診察までは,2時間程時間がありましたので,
一度帰宅され出直すようにも勧めましたが、不安で不安で一人になれないと…
彼のあまりにも不安そうな顔を観てしまうと、一時帰宅を勧められずに、クリニックで待って頂く事に致しました。
地震の揺れの恐怖、不安、頭痛、吐き気、倦怠感、食欲不振、不眠、パニック症状がおそい一人になる恐怖と闘っていました。
待って頂く間に、足が変だとおっしゃっていたので、少しでも楽になって頂けるようにアロマオイルを入れた温かいお湯で足浴をしていただきました。
10分程足浴をしたでしょうか…
すると彼の表情が和らぎ、「何か凄く不安で緊張していたのが、急に力が抜けたように楽になりました」と大粒の涙を流しながら言って下さいました。
どんなにか、不安で辛かったのでしょう・・・
想定外な地震と極度の緊張感に襲われ、過度なストレスがかかり心のバランスが崩れてしまわれたようでした。
お話を伺いながら、リラックスしていただく為に、アロマオイルにてリンパマッサージをさせていただきました。
少しずつリラックスされてきて色々とお話して下さいました。
お話しされながら、「緊張が本当に嘘のようにとれてきました。地震からずっと緊張が取れず夜も寝れなかったのでこんな安心出来たのは、数日ぶりです・・・」と彼は泣きじゃくりながら男泣きされました…。
大地震が起こった当日は交通網が混乱し、電車も不通となり多くの方々が帰宅難民となり9時間かけて東京から横浜まで歩いてきたとの事…。
歩いているときは、まるで東京マラソンに参加しているかのような錯覚に陥りそうになる感覚で、気持ちが高ぶりハイになっていた。
とにかく横浜まで歩く事に集中し、周りの方々とずっと話し会話が途切れないように話し続けてきました。
途中の川崎の工業地帯を通り過ぎる辺りから、壊れているものや火事のような炎が数ヶ所見られ、急に恐怖と不安の気持ちになった。
隣りの男性がよく話しかけてくれて、何とか気持ちを保つ事が出来た。
自宅にたどり着いて、土日は余震と戦いながら過ごすものの…時間が経つにつれ恐怖感が強くなり、揺れが怖く頭痛と食欲不振、不眠、極度の不安感とパニック、全身のだるさと体に力が戻らない感覚になってきた…。
不安で一人で家にいられない…。
足の関節が変だから整形外科に受診したが、何ともないですよと言われた。
だけど、体調が悪い・・・足に力が入らない…。
会社には、体調が悪く仕事を休まなくてはならないから電話するも、なかなか状況を理解ししてもらえない…。
そんな中、普通に仕事に行かれているサラリーマンの方々を見ると、会社に行けない自分が焦ってしまう…。
などなど話して下さいました・・・
極度の緊張を経験され、時間がたつにつれて現実を受け入れる準備が出来ていないまま生活をしなくてはならない環境の中で苦しんでいらっしゃいました・・・
このような辛い経験や思いをされている方々がいます。
どうぞ、肩の力を抜いて大きく深呼吸して下さい。
鏡を観て下さい・・・肩をすぼめて体を固めていませんか?
どうぞ、深呼吸して下さいね。
体の力が抜けますよ。
余震が怖くお風呂に入れないと言っている方がいました。
体の緊張が取れないと言っている方がいました。
震えが止まらない・・・夜眠れない・・・
このような方・・・
どうぞ、足浴してみてください!
入浴剤を入れたり、アロマオイルを入れたりしてみてください。
体が温まり緊張が和らぎますよ。
電子レンジでタオルを温めて足に巻いてもいいです。
是非試して下さいね。
フットケアを通して、今私に出来ることから・・・
一人でも多くの方の心に寄り添い、フットケアから傾聴ケア、心のケアの一歩としてお役に立てたら嬉しいです。
一緒に頑張りましょう。