肝障害のリスク】解熱鎮痛剤「カロナール」に含まれているアセトアミノフェンに「重大な副作用」
人気の解熱鎮痛剤に重大な副作用
「カロナールありますか?」
「申し訳ございません。ただいま品薄が続いていて、切らしております」
コロナ禍で、こんなやりとりをした人も多いだろう。ウイルスに感染したときや、ワクチン接種後の発熱時に使用する解熱鎮痛剤として非常に人気があるカロナールだが、その主たる成分であるアセトアミノフェンに重大な副作用があることを厚生労働省が認めた。
1月17日、厚労省は同成分を含む薬の添付文書の「重大な副作用」の項目に、「薬剤性過敏症症候群」を追記するよう指示したのだ。この症候群は全身に赤い発疹が出て、発熱、肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加などを伴う場合がある。
アセトアミノフェンは解熱鎮痛剤のなかでは比較的安全で、老若男女を問わず安心して飲めるといわれてきた薬だが、なぜこのような副作用が追記されたのか。薬剤師の青島周一氏が解説する。
「コロナ禍でアセトアミノフェンを服用する人の母数が大幅に増えました。その結果、副作用の症例も増えて、注意喚起が必要だと判断したのだと思います」
肝障害のリスクもある
あくまで副作用の発生頻度は稀である。とはいえ、「カロナールは絶対安全だ」と過信してはいけない。
「そもそもアセトアミノフェンは実は危険な薬であると認識している薬剤師は多いと思います。肝障害のリスクが高いからです。
日本では投与量の規制が厳しいので顕在化はしていませんが、海外ではアセトアミノフェンの副作用による肝障害で亡くなる方も多い。
高用量で飲まなくても、お酒と一緒に飲むとリスクは増します」(青島氏)
アセトアミノフェンの原薬は劇薬指定されており、1999年には埼玉県で、同成分を含む薬と酒を利用した殺人事件も起きている。
カロナール以外に市販の総合感冒薬などにも含まれており、重複して飲んでしまうリスクもある。熱冷ましとして、ごく短い期間の服用なら安心だが、くれぐれもダラダラと飲み続けるのは避けたい。
「週刊現代」2023年2月4日号より【肝障害のリスク】解熱鎮痛剤「カロナール」に含まれているアセトアミノフェンに「重大な副作用」 (msn.com)