水道水から発がん性物質「ベンゼン」検出、基準値の46倍も…ENEOSなど謝罪
北海道室蘭市内の水道水から国の基準値を超える発がん性物質ベンゼンが検出された問題で、住民説明会が15日に開かれ、ガソリンが漏出した給油所を所有するENEOS(東京都)と、運営していた北海道エネルギー(札幌市)の幹部が住民らに謝罪した。新たに3か所から基準値の最大46倍のベンゼンが検出され、汚染範囲の拡大も明らかにした。
頭を下げるENEOSや北海道エネルギーの幹部© 読売新聞
昨年12月のENEOS北海道支店の追加調査によると、給油所の地下埋設管から漏れたガソリンの推定総量は、ドラム缶10・5本分に相当する2100リットル。2020年10月以降に漏れ出し、市の指摘を受け営業を停止した22年7月まで続いたとみられるという。同社と市は、汚染範囲の特定を急ぎ、16日から地下水をくみ上げて浄化の作業を始める。
説明会はENEOSと市が合同で開催。同社の佐藤由理・北海道支店長は、地域住民ら約40人に対して「心配と迷惑をかけてしまい、申し訳ない」と陳謝した。
住民からは「今でも不安で水道水は飲めない」「いつまで血液検査が続くのか」と悲痛な声が上がった。40歳代の男性は「住民の健康面や精神的な苦痛、風評被害について真剣に考えてほしい」と憤った。
給油所の敷地は土壌汚染対策法に基づく道の「要措置区域」に6日付で指定され、ENEOSは28年4月までに汚染された土壌や地下水を浄化する必要がある。同社は「計画を前倒しし、地下水の浄化や土壌の改良を早急に進めたい」としている。水道水から発がん性物質「ベンゼン」検出、基準値の46倍も…ENEOSなど謝罪 (msn.com)