糖尿病には大きく分けて次の2つのタイプがあります。
すい臓がインスリンをほとんど、またはまったく作ることができません。
よって、インスリンを注射しなければなりません。このため、以前は「インスリン依存型糖尿病」とも呼ばれていました。
糖尿病の患者さんのうち、1型糖尿病は10人に1人もいません。
若い方の糖尿病では1型糖尿病が多いですが、年齢に関係なく発症が見られます。
◯2型糖尿病(インスリン分泌不全、インスリン抵抗性による)
すい臓はインスリンを作り出しますが、2型糖尿病では、量が十分ではない(インスリン分泌不全)か、作られたインスリンが十分作用しません(インスリン抵抗性)。以前は「インスリン非依存型糖尿病」と呼ばれていました。
2型糖尿病は最も一般的な糖尿病で、10人に9人以上はこのタイプです。若い人でも発症する場合もありますが、40歳を過ぎてから発症する場合がほとんどです。
糖尿病になる要因はさまざまで、食生活などの環境因子と体質(遺伝)の組み合わせで起こると考えられています。
糖尿病と肥満を結びつける方がいらっしゃるかもしれませんが、病気の名前に「糖」という文字が入っているからといって砂糖などの甘いものの取り過ぎといったことだけが原因ではないのです。
なお、2型糖尿病の治療の基本は適切な食事指導と運動で、これらを続けながら薬による治療を行います。
2型糖尿病の治療に使われる薬にさまざまな種類があり、糖尿病の状態に合わせて使います。
最初は飲み薬から始めることが多いですが、血糖値が下がらないときはGLP-1受容体作動薬という注射が選択肢の1つとなります。また、インスリンの分泌量が十分でないときは、注射でインスリンを補います。
◯症状
・易疲労感
・多飲、多尿
・易感染性
・傷の治癒遅滞
血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気につながります。
糖尿病は原因にもよりますが、予防のできる生活習慣病でもあります。
日々の暮らし方、気を付けましょう。
私たち救急救命士に認められている血糖測定、ブドウ糖投与には以下のようなプロトコールが設けられています。
(1) 血糖の測定
① 次の2つをともに満たす傷病者(※1)
・意識障害(JCS≧10を目安とする)を認める。
・血糖測定を行うことによって意識障害の鑑別や搬送先選定等に利益があると判断される。
※ただし、くも膜下出血が疑われる例などで、血糖測定のための皮膚の穿刺による痛み刺激が傷病者にとって不適切と考えられる場合は対象から除外する。
② 上記①による血糖の測定後に、医師により再測定を求められた傷病者
(2) 静脈路確保とブドウ糖溶液の投与
次の2つをともに満たす傷病者(※2)
・血糖値が50mg/dl未満である。
・15才以上である(推定も含む)。
3 留意点
・「静脈路確保とブドウ糖溶液の投与」は特定行為であり、医師による事前の具体的な指示を必要とする。(※2)
・「血糖の測定」については特定行為ではないため具体的指示は必ずしも必要ない。ただし、血糖の測定を試みた場合は、オンラインMCの医師、もしくは搬送先医療機関の医師等に、血糖測定の実施とその結果等を報告する。(※2,5)
・医師は、ブドウ糖溶液の投与の適応を確認し指示する。
・静脈路確保にいたずらに時間を費やさないように留意し、静脈路確保が困難であると判断された場合などは、搬送を優先してよい。(※3)
・穿刺針の太さ(ゲージ)は傷病者の状態等により選択する。(※3)
・輸液の速度は、維持輸液(1秒1滴程度)を目安とする。(※3)
・ブドウ糖溶液の投与は50%ブドウ糖溶液40mlを原則とするが、必要に応じて減量する。(※4)
・傷病者の状況、観察所見、実施した処置、その結果等をオンラインMCの医師、もしくは搬送先医療機関の医師等に報告する。(※5)
・医師の指示に応じ、血糖の再測定をしてもよい。
引用元:厚生労働省