(WEB記事なので、転記しておきます。)
【ミャンマー談話】佐藤優氏
日本政府は、安倍晋三前首相の下で民主主義や人権の尊重などを共有する国と関係強化を図る「価値観外交」を基本政策にあげ、この価値観を共有できない国、例えば北朝鮮に対して、毅然(きぜん)とした姿勢を取ってきた。今回のミャンマー軍事政権の弾圧は明らかに人権の尊重に反する行為なのに、日本政府はなぜミャンマーに対し、例外的な態度を取り続けるのか?
そもそも1964年にビルマ社会主義計画党が他の政党を禁止し、全体主義体制を敷いたときに日本政府は異議を唱えるべきだった。軍政となっても、ミャンマーは仏教国で歴史的に親日という極めて情緒的な判断で援助を続けた。アウン・サン・スー・チー女史の自宅軟禁にも毅然とした姿勢を示さなかった。
情緒的外交は、日本の国益に沿ったものとはいえず、結局、今回の軍事政権の民衆弾圧で、日本人ジャーナリストを死亡させるという事実を招いた。根拠のない主観に基づく情緒的外交と決別し、価値観外交の観点から国益に沿うような「乾いた外交」政策に見直すべきだ。聖域を作ってはいけない。