皆さん、こんばんは!
久しぶりに本を読みました(笑)
最近ご無沙汰していた、
東野圭吾作品です。
『名探偵の掟』
20年近く前の作品なので、
読まれた方も多いかもしれませんが、
自分は少し前に買ったまま放置してました(笑)^^;
いわゆる”天下一大五郎シリーズ”の第1弾です。
【概要】
完全密室、時刻表トリック、バラバラ死体に童謡殺人。
フーダニットからハウダニットまで、
12の難事件に挑む名探偵・天下一大五郎。
全てのトリックを鮮やかに解き明かした名探偵がたどり着いた、
恐るべき「ミステリ界の謎」とは?
本格推理の様々な”お約束”を破った、
業界騒然・話題満載の痛快傑作ミステリ。
短編小説で読みやすかったです。
主人公である探偵・天下一大五郎と、
脇役警部の大河原番三が、
小説内のキャラクターとして事件に挑みながらも、
時折、小説世界から逸脱して、
第三者の立場で客観的に、
推理小説の”お決まりパターン”や”お約束事”にツッコミを入れたり、
問題提起したりする描写が面白く、
かなり笑いました(笑)
その中からひとつ、個人的に笑ってしまった、
「密室殺人」に対する大河原警部の言葉を抜粋すると・・・
「私が天下一シリーズの脇役を務めて、もう何年にもなる。
辛いことはいくつもあるが、
最近頭の痛いことの一つに密室トリックがある。
これが出てくると、正直言って気が重くなる。
ああ、またかという気持ちになる。
もういいじゃないか 今日び誰もこんなもの喜んだりせんぞと思うのだが、
何作かに一度はこのトリックが出てくるのだ。
(中略)
その度に名探偵が密室宣言をし、
我々脇役は驚いたふりをする。
本当は少しも驚いてはいない。
同じ手品を何度も何度も何度も何度も見せられている気分である。
違うのは種明かしだけだ。
そして種明かしが違っても、驚きには繋がらない。
美女が空中に浮かぶという手品を、種が違うからといって
いくつも見せられたって飽きるだけである。
ところが『密室』は性懲りもなく出てくる。
いったいなぜなんだろうか。
私は機会があれば読者の皆さんに伺ってみたいと思っている。
あなた、本当に密室殺人事件なんか面白いんですかい。」
こういう感じで、
天下一大五郎や大河原警部が、
数々の推理小説のお決まりパターンに疑問を投げかけていくのですが、
これはある意味、
東野圭吾氏の本格推理小説界へのメッセージであり、
それをキャラクターに言わせている感じですよね。
推理小説のお約束事に安直に乗っかるだけでなく、
そこに作者自身のオリジナリティや、
本格推理小説マニアを納得させるだけの、
事件やトリックの意外性や必要性が大事だと。
こういうのって、
よほど作者自身に覚悟がないと書けない気がします。
自らで推理小説のハードルを上げている訳ですからね。
自分は東野圭吾氏の本格推理小説を全て読んだ訳ではありませんが、
こういう”お約束事”へのツッコミを踏まえた上で、
自らが実践して読者を納得させる小説を書き続けている東野氏は、
やはり奥深いなぁ~と、
素人ながら感心してしまう次第であります(笑)
ユーモアたっぷりの中にも、
読み手側にとっても、
推理小説への見方を再度考えさせられる、
興味深い一冊でした!(^-^)
まだ読まれた事のない本格推理小説ファンの方には、
是非ともオススメの一冊でもあります!
では、また~!(´∀`*)ノシ バイバイ
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