皆さん、こんばんは!(^-^)
今夜のブラックジャック先生の名言・・・
「バカヤロウ!!
おれはなんのために助けたんだ!!」
(「されどいつわりの日々」より)
【「されどいつわりの日々」あらすじ】
人気アイドルが事故で全身麻痺状態になった。
プロダクションはB・Jに、
別の娘の顔をこのアイドルとそっくりに整形してくれと頼んでくる。
しかしB・Jはアイドル本人の麻痺を治すオペを敢行する。
しかしアイドルの体は動かない。
彼女には治ろうとする気持ちがまったくなかったのだ。
ある日、
ピノコは家の軒下で、
ケガをした野良猫の子供を見つける。
車にひかれたのかもしれない・・・と、
ブラックジャック先生と二人して手当してやろうと近づくが、
一緒にいる母親猫が怒って近づかせようとしない。
子猫は片足と片胸をひかれているようで、
母親猫がずっとなめてあげているのだが、
それじゃあ恐らく長くはない・・・とブラックジャック先生は言う。
薬をつけてやるから子猫を貸してみろ・・・ともう一度近づくが、
母親猫はいきり立ってブラックジャック先生を引っ掻いてしまう。
そうして、
母親猫はただひたすら子猫の傷をなめ続けるのだった。
そんな折、
ブラックジャック先生の家に、
とある芸能プロダクションの社長が訪ねてくる。
ブラックジャック先生なら絶対秘密を守ってくれると信じて来た
・・・と、その社長は言う。
「秘密は守るが手術を引き受けるかどうかは別だ」
・・・というブラックジャック先生だが、
社長は手術料2億円払うと言ってきた。
驚くブラックジャック先生の前に連れてこられたのは、
1人の女性で、
この女性の顔を整形して欲しいというのが依頼内容だった。
その女性の顔を見てピンと来たピノコ。
実はこの女性、
桃田善江(ももたよしえ)という、
トップアイドル歌手にそっくりだったのだ。
その女性を、
桃田善江本人と同じ顔にして欲しいと言うのだ。
事情を聞くと、
実は桃田善江本人は、
2か月前に車で事故を起こして、
手足が麻痺してしまう後遺症が残り、
再起不能の状態になってしまったらしい。
このままでは、
数ヵ月後に予定している武道館でのコンサートや、
映画出演がキャンセルになり、
事務所は5億円の損害になってしまう。
そこで、
この桃田善江そっくりの女性に、
本人そっくりに発声や演技をしつけ、
あとは顔を整形してしまえば、
今後は影武者として、
桃田善江本人として売り出すつもりだと言うのだ。
「桃田善江本人はどうなるのか?」
・・・とブラックジャック先生が聞くと、
「本人はこっそり引退させる」
・・・と社長は言う。
それを聞いていたピノコは、
そんなの使い捨てみたいで本人が可哀想だ!!
・・・と怒り狂う。
だが、
ブラックジャック先生は、
とりあえず桃田善江本人が入院している病院へ向かう。
寝たきり状態の桃田善江。
確かに手の施しようがない様子ではあるが、
「なぜ緊急手術をしないのです!?」
・・・と、ブラックジャック先生が聞くと、
その病院の院長は、
CTスキャンで診断した結果、
手術は不可能という結論が出たのだと言う。
ブラックジャック先生は、
手術を引き受ける条件として、
「私はモグリの医者だから何をするかわかりませんよ。
その責任は請け負ってもらえるんでしょうな?」
・・・と社長に尋ねる。
社長は、
武道館公演に間に合うなら何でもお任せします
・・・と言って立ち去る。
その後、
ブラックジャック先生は、
桃田善江そっくりの女性と二人きりで話す。
自分の顔にメスを入れられるのを怖がっている彼女に、
そんなくだらねえ手術はやめたらどうだ?・・・と言う。
「お前さんは名前も素性もなくして他人になってしまうんだぜ?」
・・・と。
自分自身も健康な人間をいじるのは気が進まない・・と言い、
芸能界から足を洗って地元へ帰るように勧め、
踏ん切りがつかない彼女を多少脅しつつ、
この場から立ち去らせるのだった。
その後、
ブラックジャック先生は、
CTスキャンの診断は信用出来ないから、
自分の所で改めて診断をやり直す・・・と言って、
桃田善江本人を連れ出そうとする。
病院の院長は、
人の病院の患者を横取りするとは無礼千万!
・・・と怒り狂うが、
文句があるなら芸能プロダクションに言うんですな
・・・と相手にせずそのまま連れ去ってしまう。
桃田善江を連れて帰宅したブラックジャック先生。
憧れのアイドル歌手の”来訪”に、
感激するピノコだったが、
桃田善江本人は何故か悲しい顔をしているのだった。
ブラックジャック先生は、
”脊髄に傷がついていなければ治る見込みはある”
・・・と、希望的な診断を下すが、
桃田善江は、
「手術したって治らないわ きっと・・・
あたし 一生このままだわ」
・・・と、悲観的な言葉しか吐かない。
その後、
手術は無事成功。
やるだけの事はやった・・・と、
ブラックジャック先生も満足気な様子。
だが、
術後、どれだけ経っても、
桃田善江は一向に体が動く気配がない。
「そんなはずはない!障害は全部取り除いたはずだ!
指一本動かせないとはどういう事だ!?」
・・・と、ブラックジャック先生は苛立ちを隠せない。
その一方、
例のケガをした子猫は、
今も母親猫が傷をなめ続けて生きているようだ。
ピノコは喜んでブラックジャック先生に報告するが、
ブラックジャック先生は猫には無関心の様子。
「どうせ ダメなんです あたし・・・」
・・・と相変わらず後ろ向きな言葉ばかり言う彼女。
ブラックジャック先生は苦悩していた。
体の悪い所は全て良くなっていっているのに、
全く手足が動かない現状に・・・
「医者でもどうしようもない事もある・・・」
「患者に治ろうという努力の気持ちがあってこそ
医者の治療は効き目があるんだ
それなのに
あの娘には何故か 治ろうとする熱意が全然感じられない」
・・・と。
そうやって悩んでいたある時、
ふと、ブラックジャック先生はひらめいて、
手足の動かない桃田善江を抱えて、
例の母親猫の所へ連れて行く。
彼女を見た母親猫は、
子猫を守ろうと彼女に襲いかかる。
とっさに悲鳴を上げてブラックジャック先生にしがみつく彼女。
そう、
普通に手足が動かせたのだ。
体が治っているのに手足が動かせなかったのは、
彼女の、
”治りたくない気持ち”
”いつまでも治っていないという思い込み”
・・・が原因だったのだろうと。
そして、
いよいよ桃田善江の退院の日、
事務所の社長は、
桃田善江本人が回復した事にひどく驚くが、
本人が治るに越したことはない・・・と感激する。
明日からの武道館公演に間に合った・・・と、
喜ぶ事務所側だったが、
当の桃田善江本人は、
やはり浮かない顔のまま帰っていく・・・・・
そして、
その翌日、
ブラックジャック先生はテレビで、
桃田善江が事故で亡くなったというニュースを知る。
ニュースによると、
桃田善江は武道館公演を当日夜に控えた昼、
自宅付近で車ごと塀に衝突して即死したと。
遺書が残されており、
どうやら人生を悲観しての自殺のようだった。
タイトなスケジュールで毎日パンク状態の上、
事務所との契約で束縛も多く、
自由欲しさにわざと車で事故を起こして、
引退する計画を立てていたのだという。
それが最初の事故だったのだ。
それを知ったブラックジャック先生の、
悲痛と悔恨のこもったセリフが上の言葉。
そんな悲劇が起きてしまった一方で、
ピノコは軒下にいた重傷の子猫が、
ヨチヨチと歩いて出てくるのを見つける。
なんと、
母親猫がなめ続けていただけで、
あれだけ重症だった子猫のケガが治ってしまったのだ!
母親猫と共にまた元気に旅立っていく猫たち。
それを見て、
悔し涙に暮れるブラックジャック先生なのでした。

この話、
何とも皮肉な結末ですよね。
医学の限界というか、
つくづく”病は気から”という言葉を実感させられる話です。
以前の話でご紹介した、
”患者を治すのは医者じゃない
治すのは患者本人なんだぞ”
・・・という、
本間丈太郎先生の言葉を思い出させます。
それと同時に、
この話は、
患者さんを”完治”させるという事は、
体を治すだけでなく
心のケアも重要だという事を思い知らされる話です。
そして、
個人的には、今回の話、
ブラックジャック先生にしてはらしくない処置だったかなと。
なぜ桃田善江の心のSOSに気づいてやれなかったのか?
・・・と。
ブラックジャック先生は外科医であり、
精神的なケアがいくら外科治療の専門外とは言っても、
桃田善江が何度もSOSを出しているのは感じ取れたはず。
患者の治そうとする気持ちが大事なのはもちろんだが、
医者も体を治すだけでなく、
なぜそうなったのか?
・・・という原因を突き止める努力や、
治った後の心のケアもすごく大事なんだと、
素人ながらそういう事も考えさせられた話でした。
では、また~!(´∀`*)ノシ バイバイ
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