【150ページ目】
モニター体験その3「河童伝説を知る老人1」
これは、私の知り合いのこの村出身の刑事が聞いた話なんだ。
あ、なんで刑事と知り合いなのかは秘密ね。
いやいやいや、ゴヤッカイになったとかそう言う事じゃないから。
断じて。うん。
この村の西にある森を奥へ奥へと入って行くと、急に森が途絶えて開けた場所に行き着く。
唐々沼と呼ばれる沼だ。
私も1度行って見たんだがね、あそこには言い知れないほどの不気味さが漂っているよ。
何と言うかこう、決して人が踏み入ってはいけない、人が立ち入る事を拒絶している、そんな一種の神々しささえ感じたね。
にごり切った“かつて水だったもの”は深さがどれほどあるのか見当もつかない。
ハマれば最後、もしかしたらどこまでもどこまでも、終わり無く落ちて行くのかも知れない。
そんな恐怖からか、昔から村人は皆、あの沼を敬遠し、近付かないようにしていたそうだ。
だが、その沼に人が近付きたがらない本当の理由がある。
そう、それが君たちの知りたがっている河童伝説さ。
『唐々沼に近付くな。河童様が出て来て沼の中に引きずりこまれてしまうぞ』・・・。
この村で知らない人はいないんだってね。
だけど、いつの時代だって子どもは等しく子どもだった。
大人たちの必死の忠告もむなしく、私の知り合いを含めた村の子どもたちにとってそのウワサは、好奇心をくすぐるカッコウの遊びのネタだったんだね。
君たちもその口でしょ?
いや、いいんだよそれで。
大人しく言う事を聞く事が必ずしも良いとは限らないからね。
ただ、危険だって言う事は本当だから、あんまり感心はしないな。
話を戻そうか。
その知り合いは高校進学と共に上京して刑事になったんだけど、何年か前、仕事中にたまたま自分と同じ、この村出身のご老人と出会ったらしいんだ。
その人はすでにボケが始まっているのか、それとも生まれ持った性質なのか、なかなかにつかみ所の無い方で、時折意味不明な事を口走ったりしたらしいんだよ。
ある時そのご老人が、何の前ぶれも無くいきなり話を始めたんだ。
それが、今から話すちょっとだけ悲しいお話・・・。
モニター体験その3「河童伝説を知る老人1」
これは、私の知り合いのこの村出身の刑事が聞いた話なんだ。
あ、なんで刑事と知り合いなのかは秘密ね。
いやいやいや、ゴヤッカイになったとかそう言う事じゃないから。
断じて。うん。
この村の西にある森を奥へ奥へと入って行くと、急に森が途絶えて開けた場所に行き着く。
唐々沼と呼ばれる沼だ。
私も1度行って見たんだがね、あそこには言い知れないほどの不気味さが漂っているよ。
何と言うかこう、決して人が踏み入ってはいけない、人が立ち入る事を拒絶している、そんな一種の神々しささえ感じたね。
にごり切った“かつて水だったもの”は深さがどれほどあるのか見当もつかない。
ハマれば最後、もしかしたらどこまでもどこまでも、終わり無く落ちて行くのかも知れない。
そんな恐怖からか、昔から村人は皆、あの沼を敬遠し、近付かないようにしていたそうだ。
だが、その沼に人が近付きたがらない本当の理由がある。
そう、それが君たちの知りたがっている河童伝説さ。
『唐々沼に近付くな。河童様が出て来て沼の中に引きずりこまれてしまうぞ』・・・。
この村で知らない人はいないんだってね。
だけど、いつの時代だって子どもは等しく子どもだった。
大人たちの必死の忠告もむなしく、私の知り合いを含めた村の子どもたちにとってそのウワサは、好奇心をくすぐるカッコウの遊びのネタだったんだね。
君たちもその口でしょ?
いや、いいんだよそれで。
大人しく言う事を聞く事が必ずしも良いとは限らないからね。
ただ、危険だって言う事は本当だから、あんまり感心はしないな。
話を戻そうか。
その知り合いは高校進学と共に上京して刑事になったんだけど、何年か前、仕事中にたまたま自分と同じ、この村出身のご老人と出会ったらしいんだ。
その人はすでにボケが始まっているのか、それとも生まれ持った性質なのか、なかなかにつかみ所の無い方で、時折意味不明な事を口走ったりしたらしいんだよ。
ある時そのご老人が、何の前ぶれも無くいきなり話を始めたんだ。
それが、今から話すちょっとだけ悲しいお話・・・。