日記が知らなかった物語
~離れた手~
自分の手から、小さな子どもの手が離れて行くのを感じた。
「・・・ごめんなさい。行って来ます!」
その声は申し訳なさそうではあったが、強い決心さえも含んでいるように聞こえた。
もう自分が何を言っても、あの子たちを止めることは出来ない・・・。
地面を蹴る音がして、やがて子どもたちの気配は夜の中へと完全に消えて行った。
それが、この先の事を示唆しているように思えて、紀恵は不安に押し潰されるようにその場にうずくまる。
紀恵は激しく後悔していた。
あの日・・・子どもたちがライギョを手に、ドロドロな姿で帰って来たあの日・・・。
何故あれから気にもかけなかったのだろう?
何故あれで終わったつもりでいたのだろう?
遊び盛りで少々元気の良過ぎる孫と、今では孫同然となっている突然現れた居候少年。
どちらの子も言葉だけで縛れるはずもない、それは誰よりも分かっていたはずなのに。
しかし、例えあの時力ずくで2人を抑えつけたとしても、結局それは火に油をそそぐ事にしかならない事も、紀恵は重々承知していた。
始めから、止めることは出来なかったのだ。
子どもたちの行動も、そして、あの子たちに襲いかからんとする黒い陰謀も・・・。
~離れた手~
自分の手から、小さな子どもの手が離れて行くのを感じた。
「・・・ごめんなさい。行って来ます!」
その声は申し訳なさそうではあったが、強い決心さえも含んでいるように聞こえた。
もう自分が何を言っても、あの子たちを止めることは出来ない・・・。
地面を蹴る音がして、やがて子どもたちの気配は夜の中へと完全に消えて行った。
それが、この先の事を示唆しているように思えて、紀恵は不安に押し潰されるようにその場にうずくまる。
紀恵は激しく後悔していた。
あの日・・・子どもたちがライギョを手に、ドロドロな姿で帰って来たあの日・・・。
何故あれから気にもかけなかったのだろう?
何故あれで終わったつもりでいたのだろう?
遊び盛りで少々元気の良過ぎる孫と、今では孫同然となっている突然現れた居候少年。
どちらの子も言葉だけで縛れるはずもない、それは誰よりも分かっていたはずなのに。
しかし、例えあの時力ずくで2人を抑えつけたとしても、結局それは火に油をそそぐ事にしかならない事も、紀恵は重々承知していた。
始めから、止めることは出来なかったのだ。
子どもたちの行動も、そして、あの子たちに襲いかからんとする黒い陰謀も・・・。