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忍者、現場に戻る
「最初その変人を見たのはどこだ?」
「そこの・・・草むらの中・・・。」
河原が指差したのはいつも僕らが沼へやって来るのとは反対側の方で、ぱっと見ただけでは人が隠れているかなんて分からないような所だった。
薄暗くて気味が悪い・・・僕らもなるべくさけていた場所。
よくこんな所にいようと思ったなあ・・・とんでもないシュウネンだ・・・。
「犯人は現場に戻るって言うし、とりあえず入ってみるか。」
犯人て・・・まだ何かやらかしたワケじゃないのに・・・。
「でも本当に、危ない人だったらどうするんだよ!?誰か大人呼んだ方が・・・。」
「大丈夫大丈夫!いざとなったら3人がかりならなんとかなるさ!!」
「大人相手じゃ無理だよ!!それに何持ってるか分からないし・・・。」
凶器なんて持ってたりしたら・・・ケガなんかじゃすまないよ!
「とにかく怪しい人がいるっていうのは事実なんだし、警察に来てもらった方が・・・」
「もう行っちゃったわよ。」
ハッとして見ると、タイガは勇ましい足取りですでに現場へと向かっていた。
僕の言うことなんて聞いちゃいない。
「ああもうッ!!」
仕方ないから僕も後を追った。
だってタイガ1人で行かせるワケにはいかないよ。
僕らは草むらの前にとなり合って立った。
河原も少し後ろまでやって来ていて、僕らの様子を見守っている。
さすがのタイガもいくらかは緊張しているようで、顔がきびしくなっている。
「・・・どうする?金パツ忍者が切りかかってきたら。」
「まかせとけって。コータが切られてる間にオレがガッてやってグワシッとやるから。」
「まことちゃんじゃんか!!」
待て待て、ツッコミどころはそこか僕!?
「ま、小さいことは置いておいて・・・。」
僕がオトリになることは小さいことなのか・・・。
「いざ!!金パツ忍者退治へーー!!」
タイガが足を踏み出した、その時だった。
「OH~~~!!アナタ、コノマエアッタジャパニーズガールデースネー!!」
「ぎゃあああ!!出たああ~~!!」
河原は悲鳴とともに走り出し、タイガに抱き付いて後ろに隠れた。
おどろいてふり返った僕らが見たのは、金パツのバクハツ頭に青いサングラスをした、全身がエナメル生地の真っ赤な忍者コスプレをした外人だった・・・。
