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僕の母さんは

「・・・昔は、母さんだってあんなじゃなかった。だけど、いとこのにーさんが私立の中学に受かってからは・・・」
気付いたら僕は、母さんに対する不満やグチを何もかもぶちまけていた。
父さんは「母さんの言うこと聞け」としか言わないし、友だちには心配かけるから何も言いたくなくて、いつも平気なフリをしてた。
本当は誰かに聞いて欲しくて仕方なかったんだと思う。
でないと、たまたま駅のホームで会った見知らぬおじさんゲーマーにこんな話はしないだろうから。
「・・・今の母さんには、僕の声は聞こえない。母さんには、勉強してる僕しか見えないんだ・・・。」
「ほぉ、そうかい。」
また爆音がした。
あと2機、とおじさんが呟いた。

「そいじゃ、お前さんの母親にゃ耳も目も無いんだな。」

僕は、おじさんの言うことがよく分からなくって首をかしげた。
「・・・耳も目もちゃんとあるよ?」
「じゃあなんでお前さんの悲鳴が聞こえないし、お前さんが家を飛び出す程苦しんでいた姿が見えないんだ?」
僕は黙った。
答えは分かっていたけど、言ってしまえば認めてしまうことになる。
でも、黙ってたって一緒だった。
おじさんは、僕の心からそのまま引きずり出したような答えを突き付けた。
「お前さんの母親は、自分の都合でしか子どもを見てやれねんだな。」
DSからまた爆音。
まるで僕の心も撃破されたように、震えた。
あと、1機だ。