定期的に登山の話ブームが来、その際にしった植村直己さんの冒険の本。

これがもう、とんでもなくすごかった。

 

簡単に言うと、

 

「南極イヌゾリ単独横断のために、グリーンランドのエスキモーと生活を共にして、イヌゾリから極寒の地での生活方式を学び、さらにグリーンランドをイヌゾリで往復する」

 

という壮大なもの。

 

このお方……植村直己さんは、朴訥で飾らない文章を書く。

ご本人は謙遜されていたが、とんでもない大冒険を、飾らない言葉で書けるのは、ものすごいこと。

文章力自体かなりあるんですよね。読ませる文章。お上手。

 

で、まあ……

グリーンランドの生活は、水が潤沢で、温暖な日本では考えられないようなことのオンパレード。

 

お風呂に入る習慣がない。

ご飯は生肉。

ナイフが箸。

家は一間。片隅に肉塊が吊してあり、便所(バケツ)もある。

性関係が奔放。

 

……アマゾン川を60日かけて単独で下ったことのある植村直己氏をして、「つらい」(要約)と言わしめた生活様式の違いたるや、私の度肝も抜きました。

「なんかもう……絶対……無理だ……」って白目を剥く。

 

この本を読みながら、私はホントーーーに恥ずかしくなりました。

こんな良い気候の国に住み、煮炊きできて、お風呂にいつでも入れ、水だって潤沢に使える。

これだけでものすごーーーーーーーーーーく「ある」んだなと。

エスキモーの暮らしと比較して、その真のありがたみをヒシヒシと感じた。

 

あ、エスキモーの方々が可哀想だと、哀れだといっとるわけではないのです。

彼らは彼らで、その生活に順応し、誇りに思っている。

 

ただ、別の世界を知っている私からすると、「なんとー!?」の連続です。

でもエスキモーたちは創意工夫や思い切りの良さで不便を解消してます。

ただただ、すごい。

畏敬の念さえ生まれます。

そして人間の適応力の高さも。

 

この本を読んだおかげか、すーーーっかり憑き物が落ちたように、物欲が落ちました🤣️🤣️🤣️

日本にいるだけでなーーんて贅沢な暮らしなんざんしょ。

この日からさらに感謝ワークがはかどるようになりました。

 

本としても非常に面白いので、ぜひ手に取って下さると私が嬉しいです。

久々に「良い!」と感じた文体でしたね。