何かを期待して読み始めたわけではないのに、

読んでみたら、ものすごーーーくスピリチュアルな本でびっくりした。

すでに今年のベスト本の予感。

 

沢木耕太郎さんが「西川一三(かずみ)」さんのことを書いた500ページ超えの本なのだけど、

そのスケールが壮大で、それに合わせるように彼の内面世界もまた宇宙を感じさせるのだ。

西川さんは第二次世界大戦末期に密偵として中国大陸の僻地まで潜入し、当時、日本人はまだ5人くらいしか足を踏み入れていないとされるチベットまで、モンゴル出身の僧侶に扮して旅した驚くべき人だ。

彼の8年にわたる旅を、丁寧にたどる。

西川さんの内面世界は短く、端的に語られるのだが、彼の旅路から、また現地の人たちとのやり取りから彼の美徳が立ち現れて、わたしは目眩がした。

 

こんな。。。こんな日本人がいたのか。。。

 

去年、司馬遼太郎の『峠』を読んで、河井継之助を知った時も同様に思った。

 

幸せな衝撃である。

 

今回読んだ『天路の旅人』も圧巻だった。

 

スピリチュアルって私にとって「精神世界」なのだ。

精神がスピリットなのだ。

その「精神」に最も興味があって、

過剰なる美意識とも言える「美徳」が備わった人たちの生き様が

刺さるのだ。

刺激されるのだ。

 

わたしが喉から手が出るほどほしい美徳を兼ね備えている先輩たち。

そういう人たちは本で出会って、そして生きていたら会いに行って。

そんな事を繰り返しながら年を取り続けたい。