なにもいいことなかった時代が、今も変わらずにずっと続いていて、そして、たとえば君がいようがいまいが関係なく、これからも続いていくんだろう。

僕は今もまだ続くその時代の中から、抜け出せないままでいる。

 

君を見るときに思い浮かぶ風景があるんだけど、それは、存在するはずのない風景で、それは、決して見つかることのない永遠の忘れ物で、あの頃、僕にも来ると思っていた、眩しすぎる風景だ。

その、陽に照らされた風景はとっくに死んでしまっていて、もう永久に取り返しがつかない。

 

いつかは僕も、やわらかくてあたたかい陽に照らされるんだと思っていたが、ついにその日は来ず、それからは暗くて寒い日々がずっと続いている。

なにもない時代と、存在しない風景に囚われて僕は、前に進むことができないでいた。