本日は精子調整についてお話します。

精子調整は運動性良好精子の回収や受精能獲得を阻害する因子である精漿を除去することを目的としています。

精子調整は大きく2つに分けることができます。

1つ目は遠心機を用いた、密度勾配遠心法です。

こちらの方法では成熟精子の密度が1.11g/mLであることを利用して、

密度が1.10g/mLのシラン被膜コロイドシリカゲルを用いて調整する方法です。

こちらを重層して遠心機にかけることにより密度の高い成熟精子が下に沈殿するようになります。その沈殿物を回収するのが密度勾配遠心法になります。

遠心による精子のDNA断片化などの問題も報告されています。

2つ目は膜構造を用いた生理学的精子選択術です。

こちらは現在、先進医療にも認められる手法で、遠心分離せずに精子を回収できるため、精子DNAの物理的損傷をある程度防ぐことができます。

また工程数が少なく30分という短い時間で処理が完了するため、活性酸素の影響により生じる精子DNA断片化の進行低減が期待されます。

 

精子のDNA断片化が気になる方や治療がうまくいっていなくてなにか治療方法を変えたい方々におすすめな手法になります。