日本に帰って来てからしばらくの間

 

私はばぁばに電話番号を教えていなかった。

 

と言うのもうちのばぁば

 

相手が出るまでひたすら電話し続ける

 

という大層迷惑なご趣味を持っており

 

ばぁばにロックオンされたが最後、

 

諦めるまで一日中電話がかかってくる羽目になる。

 

が、出たら出たでまた話が長く

 

しかも大抵恐ろしくどうでも良い内容なので

(その上半分は以前のどうでも良い話の再放送である)

 

出るタイミングにも苦慮するのである。

 

 

そんな訳でなんやかんやとばぁばをはぐらかし

 

つい最近まで番号を教えていなかった私。

 

しかし流石にそろそろ良心が痛んで来たので

 

先日ぽろっと番号を教えてしまったのだが

 

これがもう、歴史的な大間違いであった。

 

 

さてある日の夜10時頃のこと、

 

エリックと映画を見ている最中にばぁばから電話がかかって来たが、

 

後でかけ直そうと放置した私。

 

1分ほど電話はブーブー鳴り続けていたが、

 

その後ぴたりと鳴り止み

 

・・・・・・と思えば

 

またその15分後に鳴り始め、

 

さらに放置しているとその15分後、と

 

結局映画が終わるまでの間に

 

なんと5回も着信履歴が残っていた。

 

流石にそろそろこちらから掛けた方が良いだろうか

 

と思ってはいたのだが、

 

なんとそこで今度は母からの着信である。

 

親族からの立て続けの電話に

 

ひょっとして何かあったのでは・・・・・?

 

と動揺する私。

 

慌てて通話ボタンを押したところ

 

母の声が耳に飛び込んで来た。

 

 

私 「もしもし?どうしたの?何かあった?」

 

母 「いや、大したことじゃないんだけど、ばぁばから電話があってね。」

 

私 「ばぁばから?なんて?」

 

母 「もんと全く連絡が付かないけど、どうしたのかって。」

 

 

いや、小一時間電話に出なかった位で、何を言ってますの。

 

 

私 「えっと・・・家で映画を見ていたのですが・・・・。」

 

母 「まぁお母さんもどうせそんなことだろうとは思ったんだけど、

ばぁばが大騒ぎしてうちに電話して来たから。」

 

私 「いや、そんなことで大騒ぎされてもさ・・・・・」

 

母 「そうなんだけど、実はばぁばうちに何度も電話してきてね。

新生児がいてみんな寝不足でうつらうつらしてるとこに

何度も夜間に電話を鳴らされて

もういい加減にして下さいって感じよね。」

 

 

ばぁばよ、それは流石にやり過ぎだ。

 

 

私 「それは悪いことをしたけど、私も電話に出れない時はあるし

その度に大騒ぎされても対処できないっていうか・・・・」

 

母 「まぁ気持ちは分かるけどね。あんたが電話に出ないと

『何か事件でもあったに違いない』

ってばぁばが連絡してくるから、そこのとこよろしく。」

 

 

いやもう、

この騒動自体がすでに事件なんですが!!!!

 

 

結局この後ばぁばに

 

「人には電話に出られない時があるのだ」

 

ということを懇々と説明したのだが

 

「仕事以外の理由で電話に出られん意味が分からんばい!」

 

とバッサリ切られた。

 

 

 

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ばぁば話(と言う名の愚痴)はいろいろ溜まっているので

 

また良ければ聞いて下さい・・・・。