「相葉さん、ご飯食べれそう?」
キッチンで飯の用意をしていたニノが、ドアから顔だけ出して聞いてきた。
ニノの顔が見られただけで一瞬でテンションが上がる。
そんな自分に慣れなくて驚いている自分もいた。
「ニノ〜、喉が渇いた〜」
なのに出てきたセリフがこれで、また自分で驚く。
ニノはというと
「えっ?ペットボトルが枕元に……」
キョトンとした後……
ニマッと笑って
「ふふっ、わかりました、飲ませてあげます」
仕方がないなぁ、という顔でベッドサイドにやってくると、俺の身体を抱き起こした。
ペットボトルの蓋を開けるとそれを俺の口元へ。
俺はされるがままに口を開けて水が流れ込んで来るのを待った。
「相葉さんがこんなに甘えん坊だなんて、知らなかったなぁ」
常温の生ぬるい水が喉を通って、少し溢れて濡れた口元をニノがタオルで拭ってくれた。
「くふふっ、俺も知らなかった。
甘えん坊じゃダメ?」
ニノがペットボトルを元に戻すのと同時にその肩に腕を回して懐に抱き込んだ。
しばらくの間腕の中でじっとしていた温もりが顔を見上げる。
「ふふっ、いいよ。
オレも嬉しいから許す。
でも、こんな相葉さん誰も知らないよね。
他の人がこの姿を見たら、ギャップ萌えでまた人気が出ちゃうなぁ」
こう言うのをギャップって言うの?
決してカッコいいものじゃない気がする。
どっちにしても
「俺もう人気者にはならなくていいな。
ニノ以外に好かれてもしょうがないし」
下を向いて俺を見上げるニノに視線をあわせた。
「そんな事言っていいの?」
「いいよ。本当の事だもん。
その代わり、ずっとニノが好きでいてくれるんでしょ?」
「ふふっ、それは保証します。
何たって元ストーカーだからね」
柔らかな腕が俺の背中に回ってくる。
「重いなぁ」
「重いのはダメ?」
「大歓迎。
俺もニノに負けないくらい重いからね。
覚悟してよ」
「それは楽しみ」
クスクスと笑っている小さな声と振動が俺の胸に直接響いてくる。
俺の胸に埋まっていて表情の見えない、その少し跳ねた髪ごと抱きしめる腕に力を込めた。
つづく