「…やっぱり、相葉さん引引いてるよね、オレの本性に。
……どうしよう、それでもオレは
相葉さんを手放してあげられない……」
消え入りそうな声で呟くと
ついには涙まで浮かべ始めた。
「いやいや、なんでそうなるのよ?
俺、全然引いてないよ」
「……だって…泊まったのに……」
それ以上は言葉にならなかった。
「俺が、ニノを求めなかったこと?」
俯き肩を落とす姿が痛々しい。
壁一枚の距離がニノには俺が思っていた以上に堪えたらしい。
迂闊だった。
これ以上ニノを傷つけたくない。
そう決心したばかりなのに、早速俺がニノを傷つけている。
思っていることはちゃんと言葉にしないと。
「…俺ね、ニノには引くどころか感謝してるんだよ。
ずっと俺を見ていてくれたこと。
どんな俺も受け入れてくれたこと。
ニノがそう言ってくれたから、俺は前を向けるようになったと思ってる。
ただ、
俺今までいい加減に生きて来たから……」
一度言葉を切ってニノを見た。
俺を見返す濡れた飴色の瞳。
瞬きをした瞬間に頬を伝った一筋の涙。
なんて綺麗なんだろう。
外見はもちろん綺麗だけど、俺の心に向き合おうとするその気持ちが、俺の言葉を聞き漏らすまいとするその姿勢が。
真っ直ぐで真摯で。
ニノの周りだけ空気が浄化されてるみたいに清らかだ。
「俺ね、今はニノとちゃんと向き合いたいと思ってる。
ニノの事今までみたいに軽く扱っちゃあいけないとも思ってる。
本気で考えたいし、大事にしたい。
だから、もう少し待ってて欲しい」
キラキラ光る雫がまた一筋二筋とニノの頬を伝った。
「オレのこと、ウザいと思ってない?」
「思ってるわけないじゃん。
俺、嫌だと思ってる奴と毎日会うなんて出来ないよ。
って言うか、この家に入れるのニノだけだからね。
ほら、早く食べないと遅刻しちゃうよ」
俺の言葉にコクコクと頷きながらそれでもポロポロと涙を流し続けるニノの、その涙を手を伸ばして拭った。
しばらくしてやっと食べ始めたニノの顔が今までよりちょっとだけ柔らかくて。
やっぱりニノは綺麗だと思った。
つづく