「あー、さっぱりした!
ずっと邪魔だなぁと思ってたんだよね」
部屋の一角を占領していた荷物が無くなって、また一つ気持ちが軽くなった気がした。
「お待たせっ、ご飯にしよう」
俺は最後に手の中に残った紙袋をくしゃくしゃと丸めてゴミ箱に捨てた。
「あの、少し話していい?」
いつものように向かい合って夕飯を食べた後、お茶を飲みながらずっと気遣わしそうに俺を伺っていたニノが恐る恐る聞いて来た。
「…前の職場にも関係する事だから、もし大丈夫そうなら」
そんなに言いにくそうにしながらも、聞いてくるなんて何なんだろう。
でも、部屋の隅の名残を綺麗さっぱり片付けた俺は何を聞かれてもきっと大丈夫。
頷く俺にニノが続けた。
「……あの後、いろんな人から連絡来たでしょ?
誰にも返信してないの?」
ああ、面倒くさくなって開くのをやめたあれか。
「人数も件数も多くてさ……」
確かに不義理をしているなと頭を掻く。
「そっか……
あのね、実はずっと大野さんに連絡取りたいって言われてて。
でも、相葉さんにとって大野さんは前職に関係する人だし、いろいろ思い出しちゃうかもって、待ってて貰ってるの」
前職の関係者って言っても大野さんには良くして貰った記憶しかないけど。
それよりも
「大野さんが俺への連絡をニノに頼んだの?
何で?」
合同プロジェクトの時も皆んなで昼飯食べたりしてたけど、ニノと大野さんが特別仲が良かった風には見えなかった。
それなのに、ニノから大野さんの名前が出る、それだけの事がこんなにも引っかかってる。
自分はニノに対してはっきりした態度をとってないくせに、独占欲だけは一人前ってどれだけ勝手なんだろう。
もちろん、ニノの俺に対する気持ちを疑うなんて事はない。
今だって、ニノからは怪しい素振りなんてひと欠片も無いんだから。
そんなニノは
「大野さんに直接聞いてよ。
じゃあ、電話していい?」
相葉さんと大野さんの事なんだからオレが口を挟むものじゃないでしょ。
と、一歩引いた構え。
俺はわけのわからないまま頷いた。
つづく