「それだって、俺には関係ないことだった。
だって、オレはあなたを自分のものにしたいわけじゃないから。
オレがあなたの側にいられればそれでいいの。
あなたがオレを認識してくれる。
あなたがオレをニノって呼んでくれる。
あなたが笑顔でオレを見る。
それだけで、どれだけ嬉しかったか。
あなたに抱いて貰った時はもう死んでもいいと本気で思ったよ。
今のあなたは辛くて……
はけ口を求めてる。
なら、いくらでもオレは受け止める。
どんな理由だって、あなたがオレを求めてるってことが嬉しくて仕方ないんだ。
どんな理由だって、だよ。
あなたの気持ちがオレになくたって全然構わないんだよ。
だからね、今の状況だってオレには幸せで仕方がないんだ。
あなたには悪いけど、今のオレにはあなたにしてあげられることがあるんだから」
ニノは俺から視線を逸らすと思い詰めたように眉を寄せ自分で自分の手をギュッと握った。
そして、まるで恐れているように俺を見上げた。
「……前にあなたに愛を教えてあげるって言ったよね?
………これがオレの愛。
自分勝手で粘着質で美しくも優しくもない。
エゴの塊なんだよ。
………………引くよね」
消え入りそうな声でそう言うとふうっと一つ息を吐いて、天井を見上げた。
「あーあ、全部ぶっちゃけちゃった。
ふふっ、こんなつもりじゃぁなかったんだけどなぁ。
こんなドロドロの本音は隠して綺麗なところだけ見せるつもりだったのに。
ごめんね。
こんなオレで」
そう言って俺を見るニノは口元は笑っているのに泣きそうで、自分を否定しているのに俺への想いは痛いほど伝わって来るんだ。
「ごめん、今日は帰るね。
ご飯自分で用意して。
あ、でも明日また来るから。
あなたがイヤだって言っても、オレはあなたから離れられないから」
涙を堪えながそう言うと、ニノは自分の鞄を掴んで逃げるように部屋を出て行った。
つづく
つづく