「万が一にも大ちゃんに潤の声を聞かせたくないからさ」


言葉の意味に思い当たってまた頬に熱が上がる。


「そんな…声なんて……」


俯向く俺を大きな胸板が包んだ。
やっぱりふわりと、だけどさっきよりも強く抱きしめられて、俺もその背中に腕を回す。


「わかんないでしょ?
それと、確認。
いいんだよね潤?
潤が泊まりに誘ってくれたってことはそういうことで」


俺の早とちりだったら恥ずかしいからさ。
だって。
こっちだってセッ クスしたいからうちに来てくれとは言えないじゃん。
雅紀の腕の中でコクリと頷くと、
俺を包む腕にさらに力が加わった。


顎を取られて奪われる唇。
最初は優しく、だけど徐々に激しく俺の中をかき回すそれに、ゾクゾクと背中が泡立つ。
もう何度もしているキスが、それでも今までと違って感じるのは雅紀のせいなのか、俺のせいなのか。
きっと、両方だ。


頭の後ろを押さえられて逃げることが出来ない。
もちろん逃げるつもりなんて毛頭ない。
俺からもその形の良い頭に腕を回して強く引きつけた。


縺れるようにベッドに辿り着くとドサリと二人で倒れ込む。
こんな時でも雅紀の腕は咄嗟に俺の背中に回って、衝撃から俺を守っている。
そんな些細な、だけどいつもの雅紀の優しさがしつこく残っている俺の恐怖心を何処かへと追いやった。


雅紀の唇が離れて、ほんの少しだけ距離をとる。
俺を見詰める顔を俺も見詰め返した。


「好きだよ、潤」

「俺も、雅紀が好き」


自然と二人で微笑み合っていた。
















つづく