俺の家のアイランド型のキッチン。
今はそこに小さなダイニングテーブルを寄せて、主にニノが作った飯を二人で食べている。
そんな風景も当たり前になりつつあった。


「あっ、これスッゴく美味い。
ニノ料理上手くなったねぇ」

「そう?相葉さんにそう言ってもらえるの嬉しいけど。
カレーだよ?」

「でも、なんかいつもと違うよ」

「んふふっ、わかった?
実はルーじゃなくてスパイスから作ってるの。
大野さん直伝」


飯は凄く美味いし、ニノの嬉しそうな笑顔もとっても可愛いんだけど、大野さんって言葉が引っかかった。


「大野さんに会ってるの?」


俺の知らない所で俺の知ってる人に会ってるって、ただそれだけなのに何だか気になって声が尖った。
だけど、ニノはそんなことはお構いなしで、相変わらずニコニコと笑っている。


「大野さんね、よくうちの会社に来てるの。
ほら三友商事さんとうち、提携続けるって言ってたじゃない。その関係じゃない?」


ニノの表情にも声にも後ろ暗いところはひとつもなくて、それでやっと安心する俺がいる。
だけど今度は


「大野さんだけ会社でのニノが見られるなんて、なんかズルイな」


会社でニノに会える大野さんが羨ましくなってくる。


「この間まで一緒に仕事してたでしょ。
別に自社にいたって変わらないよ」

「それでもっ!
オフィスRANにいるニノが見たいなぁ」

「ふふっ、じゃあ今度来てみれば?
翔ちゃんだって、菊池や潤くんだって知らない仲じゃないし、歓迎するよ」

「松潤……もう、怒ってないかなぁ」

「怒ってないよ。
そんなに怖い人じゃないんだよ。
それにほら、来週にはみんなでそっちに行くでしょ」


「そうか!成果報告会だ。
俺、成績トップだからね。
きっとみんなの前で発表されるよ。
楽しみにしててよ」

「金一封とか、出ちゃうかな?」

「出ちゃうかもよ。
そしたら、ちょっと贅沢に旅行でも行こうか?」

「んふふっ、いいね」


自分でもこんなに独占欲が強いなんて思ってもいなかった。
それでもニノのことは全部知りたくて、些細なことにもいちいち引っかかる自分の心の狭さが情けない。
だけど、ニノはその全部に応えてくれるし、変わらずにずっと側にいると示し続けてくれる。













つづく