「会社で、潤くんに聞いた。
オレが出張中、女の子の所に行ったって?」

「う、うん……」


やっぱりダメだって言われるのかな。
必死さはこれでもかっていうくらい伝わってくるけど。


「潤くん怒ってたけど」

「うん、すっごく怒られた」


まあ、ニノからしたら俺のやったことは裏切りだから、ニノが大事な松潤が怒るのも無理はないんだけど。
ここでニノにまで怒られるのかなぁ。
怒られるのって、イヤだよねぇ。


俺はげんなりしながらニノを見下ろした。
そんな俺を見上げたニノがいきなり


「ごめんなさい!!」


俺の両腕を掴んだまま深々と頭を下げた。
ええっ?どういうこと?


「潤くんはオレのことを心配してくれただけなの。
でも、イヤな思いさせちゃって、本当にごめんなさい」


ハの字に下がった眉
潤んだ瞳
縋り付く手


何でニノが謝るの?
必死に俺の所に来たのは、俺に怒りをぶつけるためじゃあなかったの?


「ニノは……怒ってないの?
……俺、女の子の家に泊まったよ?
女の子と……寝たよ?」


ニノは変わらず縋るような目で俺を見詰めたまま、ブンブンと頭を振った。


「オレは……相葉さんといられれば、それでいいの。
相葉さんを独り占めしようなんて思ってない。
相葉さんは自由でいていいの」


俺の顔に顔を寄せて祈るように言葉を紡ぐ紅い唇。
いつもは真っ白なのに、興奮しているせいか赤みを帯びる頬。
綺麗な飴色の瞳からは、ポロポロと涙がこぼれ落ちている。


「だから……
オレを嫌いにならないで。
これからも側にいさせて」


俺を掴んだままの両手には更に力が込められて痛いほど。
どれだけ必死なの。


こんな俺のために……


こんな俺を、ニノは否定しないんだね


捕まれたまんまの腕をニノの背中に回した。
って言っても肘から下だけじゃあ、いくらニノの細い身体でも背中までは回りきれない。


「嫌いになんて、なるわけないじゃん。
ニノ、好きだよ」


身体ごとニノに覆い被さって、ニノの耳に直接吹き込むように言うとやっとニノの手から力が抜けた。
同時に自由になった腕をニノの背中に回してギュッと抱きしめた。


どうしようもないまんまの俺を受け入れてくれるニノ。
ニノの方こそ俺を嫌いにならないの?
これからも俺の側にいてくれるの?


俺の胸の中にすっぽりと収まって、俺に身体を預けるニノ。
その手が俺の背中に回ってきて
いつの間にか、お互いにきつく抱きしめ合っていた。













つづく