プロジェクトが終わってしまえば、なかなか話すことも難しい。
近況を報告しながらビールで喉を潤している間にテーブルの上は料理と酒でいっぱいになった。
全て揃ったところで松潤が


「何かあったらこちらから呼ぶので」


遠回しに立ち入り禁止を告げると、中居さんも心得たものでニッコリと笑顔でごゆっくりどうぞと頭を下げて戸を閉めた


密室になると途端に変わる松潤の空気。
それに抗うように


「凄いね、ワインにウイスキー、シャンパンまであるじゃん。
料理も美味そう!」


大袈裟に驚いて、はしゃいで見せるけど


「どんどんやってくれよ。俺の奢りだから」


言葉とは裏腹に松潤の空気は変わらないままだった。
そんな目力で凝視されたら、出したい手も出なくなるよ。


それでも俺は目の前の料理に箸を伸ばした。
なかなか来れない高級店、食べずに帰るのは勿体なさ過ぎる。
松潤が本題に入って、食ってる場合じゃあなくなる前に堪能しておいた方がいいって判断した。


料理は間違いなく美味いし、酒もさすがは松潤、いいのを揃えてる。
俺は目の前の胡乱な視線をよそに飲み食いに集中していた。このまま何事もなく終わればいいのにな。
なんて希望は叶うはずもなく……


「ところで、相葉くん」


まだ食べ始めて幾らも経ってないっていうのに、目の前の無粋な相手はもう始める気らしい。
しょうがないと腹を括って正面を見返した。


「何?」


シャンパン好きの松潤がビールの次に手にしたのがウイスキーってとこが酒を楽しむ気がないってことを物語っていて。密かにゴングが鳴らされたのを知る。


「昨日、仕事の後、女のところに行った?」


はぁ、やっぱりか。
こうなったら、俺も言いたいことを言うまでだ。


「行ったよ」

「何で?」

「来ないかって言われたから」

「ニノがいるのに?付き合ってるんだろ?」

「ニノは出張中。松潤だって知ってるでしょ?
それに、俺たち付き合ってるの?
だいたい、付き合うってどういうこと?」

「はあ?そっからかよ!」


松潤がイライラを逃すように頭をバリバリと掻いて、綺麗にセットされていた髪がハラリと額に落ちた。
憤ってても絵になる男だなあ。














つづく