その日から昼休みは会議室の奥で俺の作った料理を六人で囲むようになった。


昼休みの度にドアの外で待ち構えていた女の子達は、いつまで経ってもお目当ての相手が出てこないもんだから、少しづつその人数を減らして行った。


彼女達も諦めたってわけじゃなくて、作戦を変えたって言うのかな。
ランチじゃなくて出勤時や退社後を狙うようになった。
俺も別にみんなを女の子と会わせないために弁当を作ってるわけじゃないからね。他の時間で彼らが何をしているかはその人次第ってこと。


実際、菊池はまんざらでもないようで、しょっ中女の子達と飲みに行ってる。
ただ、そのほとんどが櫻井さんや松本さんへの橋渡し目当てで、翌日は不機嫌なことが多い。
それでも菊池は律儀に二人を誘い出していて、たまには二人も菊池に乗っかってやっているみたい。


しかもそれは菊池のためだけじゃあなくて、うちの会社への忖度も含まれてるらしい。
お陰で社内でのオフィスRANの評判はさらにうなぎのぼり。
ホント、やることにソツがない。


そんな中で、ニノだけは他からの誘いには目もくれず、相変わらず俺の後を着いて回ってる。






だけど、最近ちょっと気になることがある。


「相葉さん、今日は?」

「ああ、今日は接待で遅くなる。かな」

「そっかぁ……仕事じゃあしょうがないよね。
わかりました……」


残念そうに、いつもの猫背を更に丸くしてデスクに戻っていく。
そのいかにも寂しいと言っている後ろ姿に、つい嬉しくなって俺も残念だよ、なんて心の中で言っていたりして……


なのに………
終業時間の直後


「二宮」


特別プロジェクトの部屋に堂々と入ってくる部外者。


「あっ、今行きます。
相葉さんじゃあ、また明日」


って、ずいぶん嬉しそうについて行くじゃん。










つづく