相変わらずスーツに着られているような華奢な身体。
だけど、思いの外動きは機敏だった。
後ろに下がったせいで、少し離れた場所から俺を見上げる水分の多い飴色の瞳。
やわらかそうな頬はほんのりピンク色。
まるで昨日の夜に時間が戻ったようで
「……お、おはよう」
がらにもなくドギマギと挨拶を返した。
やっぱりかわいいなぁ。
どんな意図があるのかわかんないけど、一応あっちから告白してるんだし、軽く付き合うくらいなら……
昨日ブレーキを掛けたはずなのに胸の中のシフトレバーはドライブに傾きたがってる。
「朝から外回りですか?」
「えっ?あ、ああ、
うん、今日は一日外なんだ」
自分の中での問答に気を取られていたせいで、かけられた言葉を理解するのに時間がかかった。
「お昼も?」
「……うん」
「……そうですか」
俺と一緒に過ごせないのがそんなに残念なの?
明らかにガッカリした顔で肩を落とす。
そんな顔しないでよ。
嬉しくなっちゃうから。
「今日は無理だけど…
明日は、お昼まではこっちにいるよ」
「じゃあ、お昼ご飯一緒に行けますか?」
途端にパアッと笑顔が輝くから
「いいよ。美味い店に連れてってあげるよ」
こっちのテンションも俄然上がる。
こりゃあ、明日気持ちよく昼飯に行くために櫻井さんからの宿題は今日中に仕上げないとだなぁ。
エレベーターを降りてロビーを歩きながら携帯を手に取った。
「もしもし…ゴメン今日さぁ行けなくなっちゃった。
………
仕事だよ。
他の女の子?違う違う。
今度埋め合わせするからさ。
………………
ありがと。好きだよ。じゃあね」
フォローも完璧。
さて、真面目にお仕事しますかね。
つづく