時間が経ってしまったのでリンク張りました。
一話はこちらからどうぞ。
父ちゃんもパパも家を出る時間が合えば、こうやってマネージャーの車でオレを学校まで送ってくれる。
そうじゃない時はもちろん一人で登校する。
だけど、電車を乗り継がなきゃだから結構めんどくさいんだよね。
それに親たちはその電車が心配みたい。
世の中いろんな人がいるからさ。
なんたってオレの両親は日本のトップアイドル『嵐』のメンバー。今は休止中だけど。
二人は嵐が休止になってすぐに結婚して籍を入れた。
俺の生まれる前は同性結婚は出来なかったんだって。
もちろん今は、法的にも世間的にも完全に市民権を得ている。
オレは今しか知らないから、何で昔は同性婚が出来なかったのかって方が不思議。
ただし、これだけ同性婚が一般的になっても、子供が出来るのは異性間のみ。
そう、オレたち兄弟と両親に血の繋がりはない。
ついでにオレとユウタも血は繋がっていない。
二人が嵐の活動を休止する前、イベントで訪れた養護施設でオレたちは運命的な出会いをしたんだ。
両親は結婚したかったのもあるけど、二人でオレを育てたかったんだって。この家に来て間もない頃に話してくれた。
大変だったと思うよ。
いくら今は歌の仕事をやってないって言ったってさ、それでも二人は忙しい。超忙しい。
そこに育児だもん。
しかもその頃オレは、施設が経営する幼稚園の卒園間近で、近所の公立の小学校に行くことが決まってた。
それが突然世界がガラッと変わって浦島太郎状態。
だって、二段ベッドがぎゅうぎゅうに並ぶ六人部屋からいきなり広い個室を与えられてさ、最初は怖くって一人で寝られなかったもん。
だから、両親のクイーンサイズのベッドの真ん中で二人に挟まれて寝てた。
もともと二人のことは大好きだったけど、それと一緒に暮らすのはまた違ってさ。だいたい養子に入ったって仕事に行く二人とずっと一緒にいられるわけじゃないし。
当時、オレはよく泣いていた。
突然異世界に一人で放り込まれたみたいで不安で怖くてしょうがなかったんだ。
それに、父ちゃんやパパだって子育てなんて初めてだったしさ、いくら覚悟をしていたって思い通りにならないことなんて山程あってさ、三人揃って泣いちゃうことだってあった。
今ではオレもバカ広いマンションにも、そのやたらと厳重なセキュリティにもすっかり慣れた。
学校もお受験の末、某有名私立の初等科に在籍中よ。
元々頭は良かったからさ、中等部への内部進学は楽勝ってのが今。
つづく
