ゴソゴソと腕の中で何かが動いている?
全然足りない睡眠時間に離れたがらない瞼をこじ開けた。
すると、愛しい温もりが俺の腕の中で頭を抱えていた。
いつの間にか二宮を抱き込んでいたらしい。
二宮のことだ、俺に気を遣って動けなかったんだろう。
二宮を抱き締めているとわかれば、寝不足の身体にも一気に活力が甦る。
さくっとベッドを出て、二宮のために水を持って寝室に戻れば、肝心の相手の姿は布団にスッポリと隠されてしまっていた。
大丈夫か?と声を掛ければ、ソロソロと布団の中から目だけ出してくる。
本人は全く気付いてないだろうけど、そのしぐさ可愛いすぎるから。
頼むから朝から俺を刺激するのはやめてくれ。
二日酔いと戦う二宮には悪いけど、頭の中は昨夜の二宮の言葉がリフレインしていて……
俺の顔が甘く緩むのは仕方がない。
喉が乾いている二宮の背中を抱えるようにして、抱き起こす。
俺の身体に凭れさせて、腕を前に回してキャップを外したペットボトルを口許に寄せた。
もちろん、ただ水を飲ませるだけならこんな体勢は全く必要ない。
所謂バックハグというやつだもんな。
ただ俺が二宮とくっつきたいだけ。
俺はもう、お前にこうすることを許されたんだろう?
お互いの気持ちを伝えあって、晴れて恋人どうし。
抱き締めるのもキスも、それ以上だって…
いやいや、俺はガッツクつもりはないぞ。
おそらく経験のない二宮。
ゆっくりと段階を踏んで二人で進んでいくんだ。
それこそ俺が手取り足取り、あんなことやこんなことも………ムフフッ
おっと、いかんいかん。
妄想に浸って目の前の二宮をお座なりにするところだった。
半分ほど水の残ったペットボトルをサイドテーブルに置いて二宮に向き直る。
真後ろに座っているせいで、この角度から見えるのは盛大に寝癖のついた頭と襟足、ほんの少し朱く染まった首に華奢だけどしっかり男の肩。
どれもこれもが愛おしくて、ついいろいろ触りたくなる。
だけど、そこをグッと堪えて
「メシは?……無理か……もう少し寝るか?」
二宮の顔を覗き込むと、返事もしないで何だか困っている。
…………やっぱりそうか
お前、昨夜自分で言った言葉を覚えてないんだろう。
だから俺の態度に戸惑っているんだろう。
それでも、酔っぱらって意識の外で発した言葉に嘘が入る隙間は無いはず。
俺は昨夜のお前の言葉が本心だと信じられるから、余裕で昨夜のお前の有り様を語ってやった。
つづく